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ケーターハムCT01技術解説 マイク・ガスコインのQ&A

2012年01月27日(金)3:10 am

ケーターハムでチーフテクニカルオフィサーとして技術部門を指揮するマイク・ガスコインが、2012年型車CT01などについて語った。

Q:冬の間に行われた、技術面の動きなどについての概要、そしてCTO1の開発にまつわるお話をお聞かせください。

ガスコイン:そうだね、簡単に言えば、われわれは自分たちのレースカーを新しく設計して作り上げたんだよ! オフシーズンの間はずっと、風洞の最適化作業を含めた今季マシンの主要な部分に集中していた。ノーズボックスや耐久試験など、今季から採用された技術的な規約変更にも対応している。

ガスコイン:クラッシュテスト(衝突試験)の新しい規約により、1回目のテストまでにクルマの認証を受けなければならなくなった。つまり、最初のテストの1ヶ月から6週間前までに認証をもらわなければならないんだ。その点、われわれが立てた開発計画は非常に素晴らしかった。クリスマスの前にシャシーの認証は済んでいたし、実は、すべてのテストを最初に通過したのはうちのチームだったのではないかと思っているんだよ。

ガスコイン:クルマの設計は2011年の早い段階から開始されていた。われわれにとっては、技術面での継続性を維持できた初めての年で、ルノー・スポールF1のエンジンとレッドブル・テクノロジーのギアボックスの搭載を維持することで、自分たちが取り組む相手を知ることができたし、先にあるものも見えた。

ガスコイン:これまでわれわれは、設計チームだけでなく、ギアボックスとエンジンを毎年変えていたような状態だった。しかし、テクニカル・ディレクターであるマーク・スミスの指揮の下、設計チームはとても安定して動いてくれている。これはつまり、設計の細かい部分でわれわれが数歩先んじているということだ。これは、認証の過程でも現れていると思う。

Q:大きな変更点はどのあたりでしょうか? 注目すべき点は?

ガスコイン:パフォーマンスの面でも開発面でも、空力には常に注力している。昨年はブロウン・ディフューザー(マシン後部のディフューザーへ高温の排気を流すシステム)が流行となったが、2010年には存在しなかったものなので苦労を強いられた。2011年シーズンを通じてほかのチームと比較して追いつけ追い越せの開発を進めたよ。

ガスコイン:今年、ブロウン・ディフューザーが禁止されたことはわれわれの有利に働くだろう。ほかのチームには(ブロウン・ディフューザーの)開発に充てる時間がたくさんあったので、彼らはわれわれがこれまでに成しえたよりも多くのものをこのディフューザーから引き出しただろう。だから、技術開発面では、競争が少し楽になるとも言える。しかし、実際のところ空力は開発の軸のひとつであるので、空力には資金や人員を多く割いている。

ガスコイン:クルマの設計は非常にスムーズに進んだ。2月7日(火)にスペインのヘレスで行われる最初のテストまでに、クルマは完全に仕上がっているはずだ。空力面の開発では、イタリアで計画を進めているが、ウィリアムズの風洞を借りて計画を進める方向になったので、われわれのリソースは確実に大きくなっている。

ガスコイン:総合して考えると、より競争力の高いクルマになるだろうと考えているし、ベールを脱いでテストし、数字がわれわれに示しているものを証明してやりたいね。

Q:KERS(運動エネルギー回生システム)についてはいかがでしょうか?

ガスコイン:今年われわれのクルマにKERSが載ることは秘密でもなんでもない。昨シーズンの終幕が近づくにつれて、中団グループで戦うわれわれにKERSの有無が影響を及ぼし始めた。予選でも、レース中の順位でもその事実がわれわれを苦しめた。2011年最後のレースでは、ヘイキ(コバライネン)が素晴らしいスタートを決めていくつも順位を上げたが、KERSがなかったために、そのあと順位を落としてしまったんだ。

ガスコイン:2012年型車にKERSを搭載するのは、われわれにとって前向きな一歩だ。ブラジルGPでは自分たちの前にいるクルマと比べても、それまでで一番いい予選となった。KERSがあれば、予選でもっと前に出られた可能性がある。だから、これも前向きに2012年シーズンを始められる理由のひとつだよ。

Q:このノーズについては? いろいろと議論を呼んでいますが…。

ガスコイン:そうだね、ノーズボックスの高さに関するレギュレーションが変わって、ノーズが高くなりすぎないように規制されたんだ。クルマの下にきれいな気流を流すため、できる限りシャシーを高くしようと考えている。CT01こそが、われわれの答えだ。

ガスコイン:われわれのクルマが最初に出たから議論を呼んだが、2012年の規約からすればこのような形のクルマがほかにもあるはずだ。

Q:2012年の目標は?

ガスコイン:まずはクルマをコースに出す必要があり、1回目のテストからフィードバックを得る必要がある。クルマを実際に走らせるまで、われわれの作業の元になるのは数字の羅列とシミュレーションのデータしかないのだからね。しかし、ひとつでも前のグリッドを目指しているのはどのチームも同じだし、それはうちのチームも同じだ。

ガスコイン:ここ2年は(チーム間で選手権ポイントを争うコンストラクターズ選手権を)10位で終えているが、今こそわれわれがさらに上へ行くときだと考えている。コース上でどうなるか、楽しみにしていてくれ。

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