WRC(世界ラリー選手権)やスポーツカーで多くの実績を残し、F1参戦に食指を動かしたこともあるイギリスのレース運営会社プロドライブが、イギリスのレースエンジン製造会社コスワース買収に関心を持っていることが分かった。代表のデビッド・リチャーズがこれを認めたものだ。
HRTとマルシャの2チームにエンジンを供給するコスワースは、アメリカのモータースポーツ界の大物ジェリー・フォーサイスとケビン・カルコーベンの2人が所有している。ところが先週、同社売却の動きが公になった。
プロドライブ経営のかたわらBAR(現メルセデスAMG)やベネトン(現ロータス)のチーム代表を務めたこともあるリチャーズは、『Daily Mail(デイリー・メール)』にこう話している。
「コスワースについて調査に着手したばかりだが、どうも彼らは売却価格を高めに見積もっているようだ。私の理解では、コスワースのブランド名を所有していないし、今後12ヶ月のあいだにF1から手を引くことになるのだからね」
「それでも、検討する価値はあるよ」
去年ウィリアムズとケーターハムという2チームの顧客を相次いで失ったコスワースは、その後、宇宙と防衛産業に足を踏み入れている。リチャーズの言を待つまでもなく、F1パドックでは、現行のV8エンジンが来年いっぱいで姿を消すのを最後にコスワースもF1活動を終了するとの見方がもっぱらだ。