今季、ロータスとリザーブドライバー契約を結んだイタリア人ドライバーのダビデ・バルセッキが、ロータスからオファーを受けたことを決して忘れないだろうと語った。
2012年にF1の下位カテゴリーであるGP2シリーズの年間チャンピオンとなる活躍をみせたバルセッキだが、今年2月には、バルセッキはGP2のタイトルを獲得したにもかかわらずF1に昇格できない初めてのドライバーとなるかもしれないと報じられていた。
だが、バルセッキは今季ロータスのリザーブドライバーとなることが決まり、そして先週行われた最終シーズン前公式テストにおいてキミ・ライコネンが食あたりを患ったことにより、早速その代役として3月2日(土)に黒と赤で彩られたロータスの2013年型車でテスト走行を行うチャンスを得ている。
バルセッキは、急きょパリから呼び戻されたロメ・グロジャン(ロータス)と交代するまで、バルセロナのカタルーニャ・サーキットで16周を走行したが、そのときの様子を次のように語った。
「僕は、シートや、レーシングウェアからシューズまで、下着以外はすべてキミのものを使ったよ」
バルセッキは、短い時間ながらF1カーをドライブするチャンスがあったのはうれしかったと語ったものの、イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』には、やはりレースシートを得ることができなかったことに対する失意も明らかにし、冗談をからめながら次のように話している。
「いろいろ声はかけられたんだ。でも、どこでもスポンサーの持ち込みを求められたよ。僕に用意できるのはフィアット・プント(フィアット社が販売する小型車)だけだ」
バルセッキは、唯一ロータスだけが自分の実力を評価してくれた、と次のように締めくくった。
「ロータスだけが、本当に僕にやって欲しいことを申し出てくれたんだ。もし、いつか僕が世界チャンピオンになっても、そのことは忘れないよ」