2013年のピレリタイヤがチームオーダーを誘発し、レースの魅力を半減させている。そう主張するのは、フランス人の元F1ドライバーで、現在は同郷のシャルル・ピック(ケーターハム)のマネジャーを務めるオリビエ・パニスである。今季は、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが、デグラデーション(タイヤの性能低下)に対してより極端なアプローチをとっており、どのチームもタイヤ戦略に頭を悩ませている。
パニスは、フランスの『sports.fr』に次のように話し、タイヤにいら立つチームやドライバーたちに理解を示した。
「クルマのバランスが良く、タイヤのグリップ力もあったのに、数周後には3秒も遅いなんて、到底受け入れられない」
「一方で、これこそがピレリ側に求められていたことでもあった」
「いわば、レースのショー的要素のために、ピレリはそうするよう要求されていたんだ。だから、彼らを責めることはできない」
その結果、ドライバーたちはコンマ1秒を縮めようと積極的に攻めるのではなく、タイヤを長くもたせるための走りに徹している。
「4、5戦終えたころ、各チームはタイヤにうまく対処し始めると思う」とパニスは予想する。
「この時点で起きて欲しくないことは、マレーシアの再現だ」
「レースを完走するために、チームがドライバーにペースを落とすよう指示する場面なんて、誰も見たくはない」とパニスは付け加えた。