ホンダのF1復帰で注目されるのは日本人ドライバーの参戦だろう。
2013年は日本人F1ドライバー不在という不遇の時期。日本人ファンも応援する対象がいなくなってしまったために寂しい想(おも)いをしている。ファンが待ち望んでいたホンダのF1復帰が決まった今、次に期待するのは、日本人がF1の世界で戦うことだ。
1987年に日本人F1ドライバーの先駆者となった中嶋悟は、アイルトン・セナとのコンビを組んでロータス・ホンダからデビューし、同時に鈴鹿サーキットでF1日本GPもスタートしたことから、日本でのF1ブームが沸き起こった。
ホンダの2015年F1復帰が正式に決まった今、ファンが最も期待しているのがホンダエンジンを搭載しアメリカ・インディカーで活躍中の佐藤琢磨のF1復帰だろう。琢磨は2008年を最後にF1から離れている。先月にはインディ参戦4年目にして初優勝を果たし、再び世間の注目を集めており、ファンからF1復帰を望む声が高まるのも当然だろう。
しかし、琢磨は「今はインディに100%集中している」とし、現時点でのF1復帰を否定した。それもそのはず、来週末にはF1モナコGPと並ぶ世界三大レースのひとつ、伝統の「インディ500」に参戦するため、現在は連日インディ500の練習走行やイベント真っ最中なのだ。
昨年のインディ500のラストラップ、1位を狙って2台並んでターンインしたが、スピンして悔しい思いをしただけに、優勝を経験した今年にかける想(おも)いは強い。
2015年まであと2シーズンも残っているのだから、まずはインディでの年間チャンピオンに集中してからでも、F1復帰を考えるのは遅くないはずだ。