タイヤをめぐる状況が2013年F1シーズンを台無しにしていると言う主張を2人の元チャンピオンが一蹴した。
過去2度の世界チャンピオンに輝いたミカ・ハッキネンは、ピレリが供給している減りの激しいタイヤの設計を大幅に変えるべきだとの主張には反対だ。
ハッキネンは、母国フィンランドのテレビ局『MTV3』に「私はモータースポーツはショービジネスだと思っている」と述べ、ファンにとっては多くの追い抜きとピットストップがある事は面白い事で、タイヤをいたわる事のできるマシンやドライビングスタイルを編み出すのがエンジニアやドライバーの仕事だ、との持論を展開した。
また、この件が大きな議論の的となっているのは、タイヤ対策に苦しんでいる一部のチームが、「メディアを使って、火に油を注いでいる」とも話している。
また、4度世界チャンピオンになった記録を持つアラン・プロストも、モナコで「昔は逆にショー要素がなさ過ぎて批判されていたものだ。今のようなレースを見る事ができるのは幸運だと思うべきだ」と語り、ハッキネンに同調している。
いずれにしろ、ピレリがタイヤの供給を続ける事になれば、来年は設計を少し元に戻して、より慎重なアプローチを取る事になるだろう、とピレリの責任者ポール・ヘンベリーは明かしている。
ピレリのタイヤ変更を拒否しているフォース・インディアのチームディレクター、ボブ・ファーンリーは「来年はタイヤについて議論している事は無いと思うね。全く違ったプログラムになるんだから」と、笑いながら答えた。