F1ボスのバーニー・エクレストンがまたしても訴えられることが、ミュンヘンのバイエルン州立銀行の声明で明らかとなった。
83歳のエクレストンはすでにドイツで刑事訴訟を受けており、ドイツの報道機関コンスタンティンがロンドン高等裁判所で起こした訴訟では、エクレストンに対して1億ドル(約103億円)の損害賠償が求められていた。
いずれの訴えも、数年前に起こったF1商業権のCVCキャピタル・パートナーズへの売却に関係して収賄の罪ですでに刑務所に入っているゲルハルト・グリブコウスキーにエクレストンが金銭を支払ったことに端を発している。
そもそもは株式が相場よりも安く売却された事に対して申し立てを行っていたバイエルン州立銀行は、ついに争いを法定に持ち込むつもりであると認め、『DPA通信』に対し、ロンドン高等裁判所に来年1月にも訴え出る予定であると明かした。
『Reuters(ロイター通信)』は、4億ドル(約414億円)の損失を被ったというバイエルン州立銀行の主張を報じている。
『DPA通信』は、「バイエルン州立銀行がエクレストンを訴える準備を急速に進めていることは確かである」という同銀行の広報の発言を伝えている。
「1月にも、ロンドン高等裁判所に訴える予定だ」と付け加えられている。
バイエルン州立銀行がエクレストンを訴えることは確実と見られるが、エクレストン本人はコンスタンティンの判決を受けて確固たる自信をもっているとF1ビジネスに詳しいクリスチャン・シルト記者が明らかにしている。
『Guardian(ガーディアン)』への寄稿で、シルト記者は「株式の売却価格を引き下げるために贈収賄があったとするよりも、銀行の介入を避けるために贈収賄があったと考えるほうが、私は納得できるのだ」とつづっている。