先週末のF1モナコGP(第6戦)でリタイアに終わったレッドブルのセバスチャン・ベッテルは、ドライバーランキングも6番手に後退。トップに返り咲いたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)とはすでに77ポイントもの差がついており、5年連続F1タイトル獲得の可能性もすでに消えたと考えるほうが自然だろう。
宿敵メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダも、オーストリアのラジオ局『O3』に対し、「もうレッドブルはタイトル獲得をあきらめられるだろう」と語っている。
だが、22日(火)にオーストリアのレッドブルリンクを訪れていた4年連続F1チャンピオンのベッテルは、まだあきらめはしないと次のように主張した。
「数字的に可能性が残されている限り、僕は戦い続けるよ。僕たちはまだ小さな問題を抱え続けているものの、全体的には正しい方向性で進んでいると思っている」
数字的にまだしばらくは可能性が残されることになるであろうひとつの理由は、今季いろいろな批判を浴びながらも導入された最終戦アブダビGP(11月23日決勝)でのポイント2倍制があるからだ。
当初このルールが明るみとなったとき、レッドブルではそのルールに対して批判的な立場をとっていた。
そのルールが導入されるきっかけとなったのは、昨シーズン後半にベッテルが9連勝を飾る活躍をみせ、早々とタイトル獲得を決めてしまい、その後F1放送の視聴者が減るという現象につながったためだった。そして、このルールは、レッドブルの独走によりタイトル争いの面白みが欠けてしまうことを避けるためのものだと考えられていた。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、22日(火)にほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「最初は違う見方をしていたが、今ではこの新しいルールは気に入っているよ!」