アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウエイで現地時間7月12日(土)にナイトレースとした開催されたインディカー・シリーズ第12戦アイオワコーン・インディ300決勝で、佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)はリタイアに終わった。優勝はライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポーツ)だった。
BARホンダやスーパーアグリで活躍した元F1ドライバーであり、現在唯一のインディカードライバーである琢磨だが、このレースでもまたしても悪運に襲われた。予選16番手からスタートした琢磨だが、序盤はアンダーステアに悩まされ19番手に順位を落とす。その後、降雨のため赤旗中断となったレースが48周目にリスタートされるが、ターン4の立ち上がりで2台前を走行していたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が単独スピン。そのすぐ背後のクルマをアウトサイドから追い抜きにかかっていた琢磨のクルマを巻き込んでウォールに激しくクラッシュ。これにより琢磨は第8戦以降5レース連続でのリタイアとなった。
この5連続リタイアのうち4回は、自分には責任のないもらい事故やメカニカルトラブルによるものだが、気が付けばランキングはフルエントリーのドライバー中最下位となる21番手に沈むこととなった。今季すでに2度ポールポジションを獲得するなど、速さを見せることも多いものの、今回も負の連鎖から抜け出せずに終わった琢磨は、レース後に次のように語った。
佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)
「リスタートのとき、僕はキンボール(チャーリー・キンボール/チップ・ガナッシ・レーシング)とサイド・バイ・サイドで走行していました。そうしたら突然白煙が目に入りました。避けようとしましたが、すでにスピードにも乗っていたため、どうしようもありませんでした。次の瞬間、僕は前でスピンしたクルマにぶつかっていました」
「スタート後は厳しかったです。クルマはバランスがうまくとれていなかったので、ピットストップしたときにフロントウイングのダウンフォースを少し強める程度の簡単な修正を施しました。そこからまだレースは長かったので、僕はばん回できるはずだと思っていました」
「今年は多くの不運に見舞われていましたから、今週末はそれをいい方向に向かわせたいと願っていました。ですが、それにはまたもう1週間待たなくてはならなくなりました。前向きな気持ちを持ち続けながら来週のトロント(次戦)へ向かいたいと思います」
■インディカー・シリーズ第12戦「アイオワコーン・インディ300」のトップ3
1. ライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポーツ)
2. ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)
3. トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)
インディカーの次のレースは、カナダのトロント市街地サーキットにおいて、第13戦(19日決勝)と第14戦(20日決勝)がデュアルレースとして開催される。