オランダ人ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデがザウバーに対してメルボルンで起こした裁判に勝訴し、ザウバーには2015年F1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)にヴァン・デル・ガルデを出走させることが義務付けられることになった。
昨年、控えドライバーとしてザウバーに所属していたヴァン・デル・ガルデは、2015年にレギュラードライバーに昇格するという契約をザウバーとの間に取り交わしていた。さらに、昨年同チームのドライバーを務めていたドイツ人ドライバーのエイドリアン・スーティルも2015年まで有効な契約を持っていたとされている。
しかし、財政難にあえぐザウバーはその2人との契約を一方的に破棄し、より多くのスポンサー資金を持ち込めるマーカス・エリクソンとフェリペ・ナスルと今季の契約を結んでいた。
今回のザウバー敗訴確定により、明日13日(金)から開幕するオーストラリアGPで実際に誰がザウバーのシートに座ることになるのか、現時点ではまだ明らかとなっていない。
そんな中、今回の裁判に関し、フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、ヴァン・デル・ガルデの立場を支持する発言を行っている。
「ドライバーをそういうふうに扱ってはならないということだよ」
12日(木)に記者たちにそう語ったペレスは、次のように付け加えた。
「僕たちはこの仕事とキャリアを必要としている。だから、本来約束されていた通りに扱われないのは正しいことではないよ」
ペレスは2011年にザウバーから小林可夢偉のチームメートとしてF1デビューを果たしていた。その後の活躍が評価され、2013年には名門マクラーレンに移籍していたが、わずか1年でそのシートを失い、2014年からはフォース・インディアでステアリングを握っている。
一方、そのペレスと同じように2002年にザウバーからF1デビューを果たした経緯を持つフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)も、2015年シーズン開幕直前にこのようなドタバタ劇が演じられているのは嘆かわしい状況だと次のように語った。
「今のF1は昔と比べると決していい状態とは言えない。だからこういう状況になってしまうんだ。喜ばしいことではないね」