ザウバーとの契約問題裁判で勝利したオランダ人ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデは、13日(金)から開始される2015年F1開幕戦オーストラリアGP出走に向け、F1出走に必要なスーパーライセンス取得に全力をあげている。
ヴァン・デル・ガルデは、12日(木)に裁判所がザウバーの控訴請求を棄却し、勝訴が確定した後、記者たちに対し次のように語った。
「ザウバーは今から僕たちと作業をしなくてはならない。ほかには問題はないよ。それにスーパーライセンスも短時間で取得できる自信がある」
仮に、ザウバーが裁判所の判決に従わない場合は、チーム資産が差し押さえられる可能性もあると言われている。
裁判所はザウバーに対し、金曜日(13日)にアルバート・パーク・サーキットに搬入されているチームの資産リストを提出するよう求めており、その中にはF1カーも含まれているという。
だが、ヴァン・デル・ガルデのコメントにかかわらず、最大の問題となるのは、すでにいったん失効している彼のスーパーライセンス問題だろう。
FIAのF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングは、12日(木)に記者たちに対し「(スイスの)ジュネーブの安全委員会がその件に対応することになる」と語った。
一方、F1関係者の間には、今後のザウバーに対する懸念の声が上がっている。さらに、ザウバーがヴァン・デル・ガルデとの裁判において、十分な準備ができていないドライバーをレースに出走させることの危険性を主な理由にあげて抗弁していたことに対して批判的な目も向けられている。
裁判官は、ザウバーが申し立てた安全面での主張を退け、次のように語ったと伝えられている。
「これらのイベント(F1レース)は高度な基準が設けられている。我々は、その規則管理者がすべての安全要求事項を満たしていることを確認するという前提で手続きを進めるものだ」
現役F1ドライバーの中で最多レース出走数を誇るジェンソン・バトン(マクラーレン)も、ザウバーの主張に対しては失望感をあらわにしている。
「モータースポーツでは安全面は重要な課題だし、それを軽々しく扱うべきではないよ」
メルボルンでそう語ったバトンは、次のように付け加えた。
「その理由をギドに対して用いるのは公平ではないと思うね」