ウィル・スティーブンス(マノー・マルシャ)は期待している。チームの新車に乗り込む日がやってくることを。その時がきて初めて、チームメート以外のドライバーとも戦えるのだ。
マノー・マルシャのマシンは、今季規則に合わせるため急場しのぎで2014年型車を改造したもの。断トツの遅さで、開幕からグリッド最後尾が指定席になっている。
「おかげで敵なしだよ」と16日(木)に語ったイギリス人ドライバーのスティーブンス。
「僕の唯一のライバルはチームメートだ」という彼。同じく新人のスペイン人ドライバー、ロベルト・メリーである。
チームが難しい状況にいるのは確かだ。いずれ用なしの2014年型車に手を加えても、ただでさえ少ない参戦予算が減るだけだ。
「僕らの最優先事項は、なるべく早く新車を完成させることだ」とスティーブンス。
「それさえ手に入れば、もっと競争力は増すはずだ」
メリーがスペイン『AS』紙に語ったところによると、2015年型車は「80パーセント」ほど出来上がっている。夏には完成させたい考えだ。
それまでメリーもスティーブンスもグリッド最後列から地味に走るしかない。
「僕もF1でやっていけると新車で証明したい」と話すスティーブンス。「昨年のドライバー(ジュール・ビアンキとマックス・チルトン)と僕らの走りを比べられたらいいんだけどね」
「現状ではチームメートがただ一人のライバルだ。したがって全セッションで彼(メリー)より速く走るのが目標といえば目標かな」
一方のメリーも、F1第4戦バーレーンGPで目指すのはスティーブンスとまったく同じだ。だが彼は先週から背中の痛みとも戦っている。シートが彼の身体に合わないのだという。
「今はよくなったよ」とメリー。「問題はない。新しくシートを作っているからね」