17日(金)に、昨年鈴鹿で行われたF1日本GP決勝でのクラッシュ以後9か月にわたってこん睡状態が続いていたジュール・ビアンキが亡くなったが、21日(火)にフランスのニースで執り行われた葬儀には大勢のドライバー仲間がかけつけた。
伝えられるところによれば、F1はもとより、下位カテゴリーであるGP2のドライバーなども含め、少なくとも36人のドライバーが25歳の若さでこの世を去ったビアンキに別れを告げるためにニースを訪れていたという。
参列者の中には、F1ドライバーによる任意組織であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めるアレックス・ブルツの顔もあった。ブルツは、ほかのドライバーたちに参列を呼びかけたのかと質問されると次のように答えた。
「参列したドライバーたちはみんな心からそうしたいと思ってやってきたんだ。誰に対しても参列するよう説得などしていないよ」
「僕たちは誰もが、友人や同僚の命は表彰台なんかよりもずっと大切なものだということが分かっているんだ」
ビアンキのマネジャーを務めていたニコラ・トッドは、これほど多くのドライバー仲間が参列した理由を次のようにほのめかした。
「彼(ビアンキ)は全然気取ることもなく、謙虚だったよ」
「F1というのはすごく複雑な世界だし、現実から隔たってしまうようなこともあるんだ。だけど、彼は常に誰に対しても謙虚で親切にすることを忘れなかった。そこが、ほかのドライバーたちと彼の違いだったんだ」とトッドは付け加えた。