メルセデスAMGの実質上のチーム代表であるトト・ヴォルフが、2017年以降もルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグというドライバー体制が続くという保証はないと語った。
ハミルトンとロズベルグのうち、最初に契約満了を迎えるのはロズベルグのほうだ。ロズベルグの現在の契約は、2016年までとなっている。
■ロズベルグとの交渉開始は早くても夏
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターという肩書を持つヴォルフは、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「その(ロズベルグの契約)延長に関して話をするのは、早くても(2016年の)夏だろうね」
ヴォルフは少し前、これ以上ハミルトンとロズベルグの関係が悪化し、それがチーム精神を損ねるようなことにつながる可能性があれば、ドライバーを交代させることも考えると警鐘を鳴らしていた。
■ハミルトンの契約も無条件で保証されるわけではない
一方のハミルトンのほうは、今年5月にメルセデスAMGとの間に2016年から2018年までの3年契約を結んだことが発表されていた。つまり、現状ではハミルトンのほうがロズベルグよりも長期の契約を結んでいることになる。
だが、ヴォルフは、そのハミルトンでさえその契約を全うできるという保証はないと次のように語った。
「彼の契約には、ほかのすべてのスタッフたちと同じような条項が盛り込まれている。例えば、会社に損害を与えたような場合を想定したものがね」
■いい意味でのライバル関係を歓迎するヴォルフ
そう語ったヴォルフだが、一方では現在ハミルトンとロズベルグがお互いに競い合っている状況にはなんの問題もないと『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』に次のように語っている。
「お互いに相手には何も与えないというような状況は続くだろう。だが、それはチームにとってはいいことなんだ。それによって我々のクルマはもっと速くなるだろうからね」
そのハミルトンとロズベルグが乗る2016年型車の開発状況について質問されたヴォルフは、次のように語った。
「スケジュール通りに進んでいるよ。エンジンの改善によって1周あたりコンマ2秒は縮められると考えている。そして、クルマも我々に何かを提供してくれるはずだ」