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佐藤琢磨、F1、インディ、マクラーレン・ホンダを語る

2016年03月29日(火)19:11 pm

現在アメリカのインディカーで活躍中の元F1ドライバー佐藤琢磨(以下、琢磨)が、F1とインディカーの違いや、現在のマクラーレン・ホンダなどについて語った。

2002年にジョーダンでF1デビューを果たし、BARを経てスーパーアグリで活躍した琢磨だが、2008年のスペインGP後にチームが撤退を決めたことにより、そこでF1キャリアに終止符が打たれた。2010年からアメリカの最高峰フォーミュラカーシリーズであるインディカーに参戦。過去6シーズン通算で優勝1回、ポールポジション5回という記録を作っている。

■かつてほどの魅力はないが今でもF1が好き

39歳となり、今年インディカーで7年目のシーズンを迎える琢磨は、スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。

「F1は、以前ほどには魅力的だとは思えませんね」

「ですが、現在の経済状況や洗練されたテクノロジーがいろんなことを変えてしまったのだと考えています。ファンはそういったものを好んでいませんが、僕はそれにすべて反対だというわけではありません。F1は技術挑戦の場であり、僕はそれが大好きだからです」

■ドライバーにとってはインディカーのほうが楽しい

そう語った琢磨だが、インディカーのほうが「コース上での見せ場」は多く、ドライバーにとっても楽しいレースができると次のように続けた。

「予選で失敗してしまうこともあります。それでも優勝のチャンスもあるんです。バトルをし、追い抜くことができますからね。F1ではそれはかなり難しいことです」

「ええ、ドライバーにとってはそちら(インディカー)のほうが面白いですし、もっとワクワクします。それはエンジニアにとっても同じです。腕の見せ場がたくさんあるんです。F1は非常に洗練されていますし、空力的にも非常に高い効率性を誇っています。ですが、インディカーもオーバルではクルマを完ぺきに仕上げる必要があるんです」

「平均速度が非常に高いですから、僕たちはF1よりももっと詳細にクルマの調整を行っています。身体的負担は非常に似ていますね。少なくとも僕がF1にいた時代との比較ではそう言えます」

「確かなのは、F1のほうがストレートでは速いということです。ですが、コーナリングフォースはインディカーよりも低いですし、オーバルではその差がもっと大きくなります」

■マクラーレン・ホンダの復活を期待

ホンダとともにモーターレーシングでのキャリアを積み上げてきた琢磨は、F1時代と同じようにインディカーでもホンダエンジンで戦っている。そんな琢磨は、現在のマクラーレン・ホンダとフェルナンド・アロンソの状況についてどう思うかと質問されると、次のように答えた。

「技術的にはどういうことが行われているのかは分かりません。ですが、今でも一緒に仕事をしていたホンダの人たち何人かと連絡を取り合っています。彼らはみんな懸命に取り組んでいると言っていますよ」

「僕は、ホンダとマクラーレンが最終的には強くなると確信しています。あと何シーズンか待つだけだと思いますよ。できれば、今年大きな進歩を遂げて欲しいと思っていますし、とりわけ来年には戦闘力を高めて欲しいと期待しています」

■文化の違いを乗り越えることが必要

イギリスで本格的なフォーミュラカーレースを開始した経験を持つ琢磨は、イギリスチームのマクラーレンと日本のホンダには、その文化的な違いによる衝突を乗り越えていく必要があるだろうと次のように続けた。

「そういう部分で何かしらの難しさがあるのは間違いないでしょう。言葉も違いますし、文化も違いますからね。ですが、最終的には両者にとって最善なものや目標は同じです」

「イギリス人もレースに勝つことを望んでいますし、日本人も同じです。そのためには時間が必要なだけです」

アロンソはこのままマクラーレン・ホンダにとどまるべきだと思うかと質問された琢磨は、アロンソの母国スペインのメディアに次のように答えた。

「ええ、彼はそうすべきです。僕は彼が復活すると確信していますし、誰もがそれを望んでいます」

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