かつてザウバーやウィリアムズなどで活躍した元F1ドライバーのニック・ハイドフェルドが、今のF1は自分たちが戦っていたころに比べるとあまり面白くなくなってしまっていると主張した。
■今ではF1レースを見ないこともあるとハイドフェルド
現在はフォーミュラEやWEC(世界耐久選手権)に出走しているドイツ出身のハイドフェルドは、オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「正直に言うと、今ではすべての(F1)レースを見てはいないんだ」
「僕は先週末は(WECが開催された)シルバーストンにいたんだ。だから中国GPは見逃してしまった。だけど、僕がF1を見るために目覚ましをセットしなかったという事実は、最近は(F1に)何かがちょっと足りなくなっているということを示すものだよ」
「なぜなら、以前は1レースたりとも見逃すことなどなかったからね」
ハイドフェルドは、今のF1から魅力がなくなったのは、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)のような人為的な追い抜き支援システムが導入されたことや、F1カーに以前のような速さがなくなってしまったことによるものだと付け加えている。
■権力闘争がF1をだめにしているとグロック
だが、ハイドフェルドと同じドイツ人ドライバーであるティモ・グロックは、現在のF1には政治的な動きが多過ぎることも、このスポーツを傷つけることにつながっていると主張している。
かつてトヨタなどで活躍した34歳のグロックは、最近大きな話題となったF1予選方式に関するドタバタ劇を例にあげながらドイツの『SID通信』に次のように語った。
「今は少しばかり権力闘争が行われているように思えるよ」
「慣れ親しみ、すっかり定着していた予選方式を変える理由などなかったんだ」
そう語ったグロックは次のように付け加えた。
「サッカーやテニスを見てごらんよ。どちらも一貫したシンプルなルールを続けているからみんなが理解できるんだ。サッカーやテニスがすごく人気があるのはそれが理由だよ」