マノーの控えドライバーを務めるアメリカ人ドライバーのアレキサンダー・ロッシが、一躍モータースポーツ史に名を残すドライバーとなった。
■マノーの控えドライバーがインディ500チャンピオンに
F1ドライバーとなることを夢見てケータハムやマノー・マルシャのテストドライバーや控えドライバーを務めてきたロッシは、昨シーズンの第13戦にロベルト・メリーに代わってマノー・マルシャでF1デビューを飾っている。その後、全5レースに出走したロッシだったが、2016年のF1シートを獲得することはできずに終わった。
今季は、新生マノーと控えドライバー契約を結ぶ一方、アメリカのインディカーシリーズに戦いの場を移し、アンドレッティ・ハータ・オートスポートからフル参戦を開始していた。
第5戦まではそれほど目立つ活躍もできていなかったロッシだが、5月29日(日)に開催された伝統あるインディ500の100回記念レースで見事に優勝を飾ってみせたのだ。
■インディ500で勝つことを目指していたわけじゃない
終盤の燃費レースをものにし、誰も予想していなかった栄冠を手にしたロッシは、次のように語った。
「こちらではいろんなことがものすごくうまくいったよ」
だが、ロッシは、世界3大レースのひとつに数えられるインディ500で勝つことを夢見ていたわけではないと認め、次のように続けた。
「そうじゃないよ。全然そうじゃないんだ。それは秘密でもなんでもないよ」
「僕は16歳のときにカリフォルニアを離れてヨーロッパへ向かったんだ。目標はF1にたどり着くことだった」
■F1で走るチャンスは小さい
今回インディ500のチャンピオンとなったことで、メディアや公共の場へ登場する機会も増えるロッシは、今後巨額を手にすることになるだろうとも報じられている。
だが、インディ500で勝ったとはいえ、ロッシが再びF1で走る姿を見られる可能性は小さいようだ。
「すぐにF1カーに乗るチャンスがないということは確実に言えるね」
そう語ったロッシは、次のように付け加えた。
「(F1では)僕は控えドライバーなんだ。ただぶらぶらして、何か大事なことをやっているように見せかけるだけさ。運転する機会なんてないよ。レンタカーでサーキットに向かうときくらいだね」