ハースが、2017年のドライバーラインアップを検討するのは9月を迎えてからとなるようだ。
■グロージャンの続投はほぼ確定か
ロータスから移籍してきたナンバー1ドライバーのロマン・グロージャンが来季もハースにとどまることになるのはほぼ確実だろうと考えられている。
F1キャリアを通じてロータスで10回表彰台に上った経験を持つグロージャンだが、ルノーのワークスチームとなることがほぼ確定していたロータスを離脱し、今年からF1参戦を開始した新参チームのハースへ移籍を決めていた。グロージャンがこのリスクを伴う選択を行ったのは、ハースの技術パートナーであるフェラーリとの関係を築くという目的があったのは誰もが知っていることだ。
そして、グロージャンがキミ・ライコネンの後任の座を虎視たんたんと狙っていたことは疑いようもないことだ。しかし、フェラーリが2017年もライコネンを続投させることが明らかとなり、少なくともグロージャンが来年フェラーリへ移籍するチャンスはなくなってしまった。
「僕はフェラーリへ行きたいという理由だけでハースに移籍したというのは本当じゃないよ」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったグロージャンは、「僕は、これは長期的プロジェクトだと考えているんだ」と付け加えた。
■グティエレスには先行き不安も
グロージャンのチームメートであるエステバン・グティエレスもフェラーリとの関係は浅からぬものがある。2015年にはフェラーリの控えドライバーを務め、メキシコからスポンサーも持ち込んでいた。もちろん、今年ハースからF1復帰を果たすことができたのもフェラーリという後ろ盾があったからこそだ。
しかし、グティエレスの将来に関してはグロージャンほど安泰ではないようだ。現時点で今季まだ1ポイントも獲得できていないドライバーは5人だが、グティエレスもその一角を占めている。そしてすでに28ポイントを獲得しているグロージャンと比べれば、その実績の差は明らかだ。
■来季のドライバー検討はヨーロッパラウンドを終えてから
ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、「我々はヨーロッパでのレースがすべて終わってからドライバーラインアップに関して話をすることで合意しているんだ」と語っている。
現在、残されたヨーロッパでのレースはあと4戦となっている。来週末に開催されるハンガリーGP(24日決勝)、その翌週に開催されるドイツGP(31日決勝)、そして夏休み明けのベルギーGP(8月28日決勝)と連続開催となるイタリアGP(9月4日決勝)だ。
■今は余計な憶測を招きたくない
将来が不安視されるグティエレスに関してコメントを求められたシュタイナーは次のように答えた。
「シーズン前半だけでエステバンを判断するのはフェアじゃないだろう。いくつか(トラブルにより)彼を失望させたレースもあったわけだしね」
さらに、シュタイナーは来季に向けたドライバー決定に関して、「プレッシャーなどはないよ。まだ誰とも交渉は行っていないんだ。余計な憶測や不安を招くことを避けたいからね」と語り、次のように付け加えた。
「ドライバーたちは最良の雰囲気のもとで自分のパフォーマンスを発揮できるはずだよ」