2015年に復活した伝説的コンストラクターであるマクラーレン・ホンダだが、その初年度は予想以上に悲惨なシーズンを送ってしまった。だが、2016年には大きな進歩を遂げ、コンストラクターズランキングも前年の9位から6位にまで浮上してきている。
●【マクラーレン・ホンダ】長谷川祐介「来シーズンの現実的目標は表彰台」
■2017年はアロンソとルーキーで戦うマクラーレン・ホンダ
その勢いを来シーズンにも継続したいマクラーレン・ホンダだが、2017年には今年限りでF1ドライバーとしてのキャリアを終えたジェンソン・バトンに代わってルーキーのストフェル・バンドーンとフェルナンド・アロンソというドライバーラインアップで戦うことになる。
そして、2009年のF1チャンピオンであり、F1で300戦以上を戦った経験を持つバトンの穴をバンドーンが埋められるのかどうかを懸念する声があるのも事実だ。
ベルギー出身の24歳のバンドーンは確かに非常に評価が高いドライバーだ。今年も負傷欠場したアロンソに代わって出走した第2戦バーレーンGPでは見事に10位入賞を果たし、チームに初ポイントをもたらした実績もある。だが、フルタイムドライバーとしてF1でどれほどの走りを見せられるかは未知数の部分も多い。
■ハミルトン獲得のシナリオも?
こうしたこともあって、マクラーレン・レーシングの新CEOに就任したヨースト・カピートは、2018年以降もアロンソをチームにつなぎとめることがマクラーレン・ホンダにとって最優先すべきことだとの見解を示している。
さらに、新たにエグゼクティブディレクターとしてマクラーレン・グループの運営に携わることになったザック・ブラウンは、将来的にはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の獲得を視野に入れていることも示唆している。
先週末に行われた2016年F1最終戦アブダビGP決勝では、チームからの指示を無視したハミルトンとメルセデスAMG首脳の関係が悪化しているようだともうわさされており、2017年のマクラーレン・ホンダの活躍いかんでは、ハミルトンがマクラーレンに復帰するというシナリオを書くことも可能かもしれない。
あるいは、うわさされているように本当にハミルトンがメルセデスAMGから追放されるようなことにでもなれば、2017年に再びアロンソとハミルトンがチームメートになるという驚くべき展開となる可能性すらあるかもしれない。
■バンドーンはリスクにはならないと長谷川
だが、ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介はバンドーンを高く評価しており、来季に向けて大きな期待を抱いていると次のように語った。
「ストフェルは、戦うことができると示しました」
「通常であれば、新しいドライバーはリスクとなります。しかし、ストフェルには才能がありますし冷静です。我々は彼のパフォーマンスに関しては心配していません。彼はその才能をすでに証明していますからね」
「最大の問題は、ドライバーが何かを証明したいと考えるときです。しかし、私はストフェルにはカッコよく見せようなどとは思わず、自分の仕事をこなして欲しいと思っています。我々は彼が気持ちよく戦えるようにしなくてはならないのです」
「このことが非常に重要になってくるでしょう」と長谷川は付け加えた。