マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、2017年もジェンソン・バトンがチームにとって重要な役割を務めることになると語るとともに、バトンが今季限りでF1ドライバーを引退するという決意をするに至った背景について語った。
2017年にはストフェル・バンドーンにシートを譲ることになったバトンだが、マクラーレンとは2018年まで契約を更新しており、2018年に再びドライバーとして復帰する可能性もあると言われていた。
だが、その後マクラーレン総帥であったロン・デニスが失脚したこともあってか、バトンは最終戦F1アブダビGPを迎えるにあたり、突然それが自分にとって最後のF1レースになると宣言。事実上、今年限りでF1を引退することを表明した。
■バトンはチームアンバサダーに最適な人物
だが、ブーリエはフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に対し、2017年にチームのアンバサダーを務めることになるバトンの役割は今後も非常に重要だと次のように語った。
「ジェンソンはその役割にはうってつけだよ」
「彼は自分の気持ちをどうシェアするか、どうやってブランドの利益を守ればいいかが分かっているからね」
■バトンとアロンソでは立場が微妙に違った
そう語ったブーリエは、36歳のバトンが今年限りでF1を引退するという選択に至った背景を次のように説明し、アロンソとは置かれた立場が違っていたのだと語った。
「今年は、ジェンソンはプレッシャーを抱え、突然気持ち的に疲れてしまったのだと思う」
「彼は17年目のシーズンに勝利者になれる可能性を持って取り組むことはできず、大きな技術的建設プログラムの一員でしかなかったからね」
「アロンソとは違ったんだ。なぜなら、それに挑戦することを選択したのは彼(アロンソ)自身だったのだからね」
2010年にマクラーレンに移籍し、マクラーレン・メルセデスの一員として活躍してきていたバトンにとって、マクラーレンとホンダが再び手を組んだ今のプロジェクトは、自分の意志とは違うところで環境が変化したものだった。
あえてマクラーレン・ホンダの将来性に賭けてフェラーリを離脱し、自らそのプロジェクトに飛び込む決意をしたアロンソとは、気持ちの持ち方が微妙に違っていたのかもしれない。