フィンランド出身の元F1ドライバーであるミカ・サロが、後輩ドライバーにあたるバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が現在置かれている状況について語った。
2016年に初のF1ドライバーズタイトル獲得したニコ・ロズベルグが突然今季限りでF1を引退することを発表したため、メルセデスAMGでは急きょその後任ドライバーを選定しなくてはならないという状況に追い込まれてしまっている。
メルセデスAMGでは、実質上のチーム代表であるトト・ヴォルフがマネジメントにかかわっているボッタスの獲得を目指し、ウィリアムズに条件提示を行ったものの、ウィリアムズ側はそれを拒絶したと伝えられている。だが、メルセデスAMG側がそれに対して、新たな条件提示を行ったようだとのうわさもささやかれている。
■自分にも似たようなことがあったとサロ
サロは、今ボッタスが置かれている状況は1996年に自分の身に起こったことに似ていると考えている。当時、フェラーリがミハエル・シューマッハのチームメートとしてサロを迎え入れたいと考えていたものの、サロが所属していたティレルがそれを拒んだという経緯があったのだ。
「基本的に、あのときの僕の状況は今のボッタスと同じだったよ」
母国フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』にそう語ったサロは次のように付け加えた。
「ティレルが僕たちの契約にあったオプションを行使し、僕はチーム(ティレル)を離脱することができなかったんだ」
■ライコネンにも同様の経験が
そう語った50歳のサロは、さらにボッタスの現在の状況はやはりフィンランド出身のキミ・ライコネン(フェラーリ)が2001年シーズン後に経験した状況にも似ていると語っている。
当時、マクラーレンはワークスエンジンの供給を受けていたメルセデスと組んでザウバーに対して大金を払い、2001年にザウバーでセンセーショナルなF1デビューを飾ったライコネンの契約を買い取っていた。
「メルセデスが契約を買い取るための資金を出し、ザウバーは非常に多くの金を得たんだ。何台もの運搬用トラックも含めてね」とサロは付け加えた。
今回、ボッタスがうまく最強メルセデスAMGへ移籍できるのか、あるいは1996年当時のサロのようにそのチャンスを失って中団グループチームにとどまることになるのか、最終的にどういう形で決着を見ることになるのかに興味が集まっている。