ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、ニコ・ロズベルグの後任として自分のチームメートとなるドライバーについてメルセデスAMGをけん制するような発言を行った。
クリスマスまでには今年限りでのF1引退を発表したロズベルグの後任ドライバーを決定したいとしていたメルセデスAMGだが、その発表は早くても来年の年明け早々にまで持ち越される可能性が濃厚になっている。
■ボッタス獲得を目指すメルセデスAMG
だが、これから水面下ではさまざまな動きが展開されるのは間違いないだろう。そして、メルセデスAMGではウィリアムズのバルテリ・ボッタスに白羽の矢を立て、ウィリアムズに対して多額のパワーユニット供給費用値引きを条件に、ボッタスの譲渡をもちかけていると伝えられている。
フランスの『L’Equipe(レキップ)』は、ロズベルグの後任ドライバー決定のカギとなるのがやはり今季限りでのF1引退を発表したフェリペ・マッサかもしれないと書いている。
■条件さえ整えばボッタス放出もありえるとウィリアムズ
ウィリアムズのチーム副代表であるクレア・ウィリアムズは、『BBC』に対し、「もし私たちがバルテリを手放すとすれば、例えばフェリペ・マッサのような、経験があり、信頼ができる代替要員が確保できる場合に限られるでしょう」と語ったと報じられているが、『L’Equipe(レキップ)』は実際にウィリアムズがマッサに対して引退を1年先送りにするよう依頼をかけており、その話し合いはかなり進展していると報じている。
仮にマッサがもう1年ウィリアムズで走ることになれば、ボッタスがメルセデスAMGへ移籍することで一件落着ということになりそうだ。
■アロンソやベッテルじゃまずいとハミルトン
仮に、そうした動きが結実してボッタスがメルセデスAMGに移ることになれば、チームメートとして迎え入れるハミルトンも一安心できることになるかもしれない。
当初、メルセデスAMGではフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の引き抜きが可能かどうかについても検討していると言われていた。
しかし、ハミルトンはイギリスのテレビ局『Channel 4(チャンネル4)』に対し、メルセデスAMGは「契約上」少なくとも自分に対してどういうドライバーが「候補」に上っているのかを知らせる必要があるのだと語り、次のように続けた。
「彼ら(メルセデスAMG)は、それが誰であれ、彼らが望むドライバーを据えることができる。セバスチャン(ベッテル)だろうが、フェルナンド(アロンソ)だろうが、欲しいドライバーなら誰でもね」
「だけど、何がチームにとって最善のことかを考えれば、多分それは最高のアイデアだとは言えないね」
■ハミルトンが新たなチームメートに期待するのは?
ハミルトンには、自分がマクラーレンでF1デビューを飾った2007年に、チームメートだったアロンソと確執が芽生えたという経験がある。ハミルトンはそのことは「不快きわまる」ものだったと語り、次のように続けた。
「間違いなく、それは本当に大切なことなんだ。僕はここにいてすごく満足しているからね」
「これまでは(ロズベルグとのコンビにより)いくつか面白いシナリオがあった。だから、そうしたエネルギーを創造していくためには、誰を連れてくるにせよ、これまでよりよくはならないとしても少なくともこれまでと同じようないい状態を保つことが必要だよ」とハミルトンは結んでいる。