11日付でルノーF1チームを離脱したフレデリク・ヴァスールが、辞職の理由はほかのチーム首脳陣との関係にあったことを示唆した。
ロータスを買収し、2016年からフルワークス体制でF1挑戦を再開したルノーだったが、マネジングディレクターとしてチームを統括するシリル・アビテブールと、チーム代表として迎え入れられたヴァスールの間には深刻な対立関係が芽生えていたようだとうわさされている。
■チーム首脳部に「深刻な相違」
ヴァスールは、自分がルノーを離れることに決めた経緯を母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「1年目の評価を行う中で、管理者の間に深刻な相違があることが明らかとなった。そして突然、私が望むようにチームを管理することが不可能となってしまった」
「だが、何よりも、複数のリーダーがいるというのはチーム全体にとって有害なことだったんだ」
■1年の間にいい結果も残せた
わずか1年でルノーとの関係が終わりを迎えてしまったということは、2016年の活動は失敗に終わったと考えているかと質問されたヴァスールは次のように答えた。
「ルノーがどう思っているかは分からない。私に関しては、失敗だったとは言えないよ。いい結果も残せた」
「エンストンのシャシーファクトリー再構築に関してはいい仕事をすることができたと私は思っている。その仕事の成果はまだ現れてはいないとはいえ、サーキットでの仕事の進め方に関してはチームが進歩を遂げたと感じているよ」
「それはエンジン部門についても同じだ。ヴィリー(F1エンジンファクトリー)ではエンジンを進化させることができたし、それは今後に向けて有望だからね」
そう語ったヴァスールは、次のように付け加えた。
「失敗ではなかったよ。だが、フラストレーションはあった」