フォース・インディアのチーム代表であるビジェイ・マリヤにとって、2017年はさらなる苦難の年となりそうだ。
2016年シーズンに、2008年のF1参戦開始以来最高の結果となるコンストラクターズランキング4位となったフォース・インディアだが、チームは絶えず厳しい状況に置かれている。
■イギリスから出国禁止措置を受けているマリヤ
世界的酒造会社ユナイテッド・ブリュワリーズ・グループの会長であり、キングフィッシャー航空の創業者として知られるマリヤは、10年ほど前には世界有数の資産家として知られていた。
だが、キングフィッシャー航空が経営破たんに陥ったのを始め、母国インドでは金融スキャンダルにより信用も失われ、財政的には非常に厳しい立場に追い込まれてしまっている。現在マリヤはフォース・インディアのファクトリーがあるイギリスに住居を構えているが、インドでのスキャンダル発生によりパスポートが没収され、イギリス国外へ出ることも禁止されているという状態だ。
■インドがマリヤの強制送還を要請
このため、2016年もチーム代表でありながらイギリス国外のF1レースに顔を出すこともできなかったマリヤだが、このほど、そのマリヤがインドへ強制送還される可能性が出てきたことが明らかとなった。
昨年までの報道によれば、もしマリヤがインドへ戻れば間違いなく逮捕されることになるだろうと考えられていた。
そして、インド版『Times(タイムズ)』紙が最近伝えたところによれば、インド政府がイギリスの高等弁務官に対して正式にマリヤをインドへ強制送還するよう求めたのだという。
その記事の中で、インドの政府関係者は次のように語っている。
「我々は本日、ビジェイ・マリヤの強制送還申請を(イギリス側に)手渡した」
「我々(インド)はイギリスとの間に犯罪者引渡条約を結んでおり、マリヤに対してそれを適用する正当な根拠を有している。今後適切な処置をとることがイギリス当局の義務となる」