ウィリアムズのチーム副代表を務めるクレア・ウィリアムズが、父親のフランク・ウィリアムズはもうF1レース現場に顔を出すことはないだろうと語った。
ウィリアムズの創設者であり現在もチーム代表の座にあるフランク・ウィリアムズ(75)は、1986年に自動車事故で脊椎(せきつい)を損傷する大けがを負って下半身不随となってしまった。
しかし、フランクはそれ以降も車いすでF1レース現場に赴いてチームを指揮し続けてきた。だが、最近では体調を崩して長期の入院生活を送っていたことが明らかとなっている。
■もうフランク・ウィリアムズに旅は無理
クレアは、現在は父親の体調に「問題はない」としつつ、ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に次のように続けた。
「父はモータースポーツに取りつかれているんです」
「彼の人生はこれまでずっと、そして今でもF1で占められています」
「彼がもはや旅に耐えられないのが残念ですが、彼は今でも最初に始めた日と同じくらいF1を愛しているんです」
■今季残りのレースはパドックにウィリアムズ家不在
クレアはさらに次のように続けた。
「私の家族に起きた変化を考えるとき、もはや両親がここ(サーキット)にいないことをさびしく思います」
「私はここで育ってきましたし、母と父が常にここにいたことを覚えています。ですが、もう彼らをここで見ることはできません。今では私だけです」
そう語った41歳のクレアも初めての出産を控えており、今季残りのレースに帯同することを見送ることにしている。つまり、今季はもはやF1レースの現場にウィリアムズ一家は誰も顔を見せないことになるわけだ。
■ウィリアムズを再び勝てるチームに!
一方、クレアは、今季は苦戦を強いられているウィリアムズF1チームについて次のように語った。
「私たちにとって、今季は失望の連続でしたし本当に不満が残るものです。明らかに、クルマの開発に関しては我々よりもいい仕事をしたチームがあるということです」
「過去1年か2年の間にもF1は大きく変わりました」
「フェラーリ、メルセデス、レッドブルには資金力があります。コスト制限もなく、新たなエンジンレギュレーションもなく、新しいメーカーもいません。つまり、私たちにとっては非常に多くの障害があるだけなんです」
そう語ったクレアは、ウィリアムズはいつか必ず反撃に転じて見せると次のように付け加えた。
「ですが、私は決してウィリアムズを再び勝てるチームにするという夢を捨てる気はありません。そうした情熱の炎を消し去ってしまえば、あとは荷物をまとめて家に帰るしかありません。そして、私はそのためにここにいるのではないのです」