かつてベネトンやルノーのチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレが、今年はフェラーリとメルセデスが五分五分の戦いを繰り広げることになるだろうと語った。
●【写真:正式レース結果(変動後)】F1第2戦バーレーンGPのタイム差、周回数、ピット回数
■今季は2チームにタイトル獲得チャンスあり
今月の12日(木)に68回目の誕生日を迎えるブリアトーレは、今季の開幕戦オーストラリアGPと先週末に行われた第2戦バーレーンGPの結果に言及しながら母国イタリアのラジオ局『RAI』に次のように語った。
「今年のフェラーリは昨年よりもよくなっている」
「メルセデスとほぼ互角だと言えるし、ついに2チームが50%の確率で勝利するチャンスを持つという選手権を楽しむことができそうだ」
■今年のフェラーリはクルマも戦略もいい
確かに今季はフェラーリのセバスチャン・ベッテルが開幕戦と第2戦で連勝を飾っている。だが、開幕戦の舞台となったオーストラリアのアルバート・パーク・サーキットではメルセデスの方が明らかにフェラーリのペースをしのいでいたのも事実だ。
だが、これについてブリアトーレは次のように続けた。
「オーストラリアは典型的とは言えない。バーレーンの方がもっといい指標となるところだし、そこでフェラーリが素晴らしいレースをしたんだ」
「彼らは的確なタイミングで戦略を変えたし、ベッテルは最後にあのタイヤで素晴らしい走りを見せた」
ブリアトーレが言及したのは本来2回ストップ作戦でいく予定にしていたベッテルが、最大のライバルであったバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)が1回ストップ作戦をとっていることが明らかになったとき、それに対抗するために1回ストップに変更してかなり摩耗の進んだソフトタイヤで最後までトップを維持して走り切ったことだ。
■バーレーンでもベッテルにツキがあった
だが、ブリアトーレはバーレーンの決勝ではベッテルにツキがあったのも確かだと考えている。というのは、ベッテルを追っていたのがボッタスだったことだ。もしこれがボッタスではなくハミルトンだったとしたら結果は違っていたかもしれないとブリアトーレも考えているようだ。
「ボッタスの位置にハミルトンがいたとしたら大変だっただろうね。だが、それでもフェラーリにはすごく戦闘力があるよ」
そう語ったブリアトーレは次のように付け加えた。
「これからは、開発の進み方次第ということになるだろうね」
■今年のフェラーリは集中しているとアレジ
かつてフェラーリで活躍した元F1ドライバーのジャン・アレジも、今年は久しぶりにフェラーリにタイトル獲得のチャンスが巡ってきたと考えている。
アレジは母国フランスのラジオ局『RMC』に対し先週末のバーレーンGPについて次のように語った。
「私はあそこ(バーレーン)にいたが、すごいプロ意識を目の当たりにしたよ」
「以前なら彼らはレースに勝つとそれにすごく陶酔していた。だが、サヒールでは彼らがものすごく集中していることが分かったんだ」
■あとはつまらぬミスを減らすことだけ?
フェラーリにとってベッテルの2連勝はもちろん喜ばしいことだったに違いない。だがその一方でチームメートのキミ・ライコネンにはフリー走行2回目と決勝で2度もタイヤ交換作業ミスが発生するという事態にも陥っていた。
ライコネンはそのために決勝をリタイアすることを余儀なくされたばかりでなく、ピットから発進する際に作業をしていたメカニックをはねて骨折を負わせるというアクシデントも起きていたのだ。
現時点ではコンストラクターズランキングでメルセデスを10ポイントリードしているフェラーリだが、タイトルを獲得するためには改善すべきところもまだ多く残されているようだ。