かつてベネトンとルノーでチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレは、フェラーリがメルセデスを逆転して2019年のF1タイトルをとる可能性は小さいと考えている。
惜しくも個人での3連勝は逃したものの、先週末に行われたF1シンガポールGPでチームメートのセバスチャン・ベッテルに次ぐ2位フィニッシュを達成したシャルル・ルクレール(フェラーリ)はこれで獲得ポイントを200に伸ばし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と同ポイントながらランキング3番手に浮上した。
だが、現在ランキングトップの座にいる現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)は296ポイントを稼いでおり、現時点での差は96ポイントだ。
現実的には考えにくいとは言え、仮にルクレールが今後4勝し、ハミルトンがトラブルによるリタイア続きとなるような事態となれば逆転もありえる差だ。そして、F1は何が起こるか分からないスポーツでもある。
フェラーリが得意としているスパ・フランコルシャン・サーキットやモンツァ・サーキットばかりか、苦手なサーキットだと考えられていたマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットでも勝利を飾ったことで、今季残りの6レースすべてでフェラーリが強さを示す可能性も十分にあると考えている者もいる。
ハミルトンも現在のギャップが消える可能性もあると認識しており、これからさらに気を引き締めてかかる必要があるとチームに対して警鐘を鳴らしている。
だが、ブリアトーレは、フェラーリが勝利したことを歓迎しつつも、あと6レースでメルセデスを逆転できるとは考えていないようだ。
ブリアトーレは母国イタリアの通信社『ADNkronos(クロノス通信)』に次のように語った。
「フェラーリが再び勝てるようになったのはすごくいいことだよ。私は彼ら(フェラーリ)に今季のF1タイトルをとるチャンスがあるとは考えていないがね」
シンガポールGP決勝は、フェラーリがとったタイヤ戦略によってベッテルがルクレールをかわして今季初勝利をあげたが、ブリアトーレはそのことに言及しながら次のように付け加えている。
「ルクレールは素晴らしい才能を持っていることを証明して見せたし、シンガポールで彼が勝ってもおかしくなかった。だが、ベッテルにも勝利が必要だったし、チームワークに関して私に言えることは何もないよ」