元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデは、レッドブルは最高技術責任者であるエイドリアン・ニューウェイにこれからも頼りすぎることがないよう気をつけるべきだと考えている。
現在レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーを務める61歳のニューウェイは史上最高レベルのF1マシン設計者であると考えられている。
だが、数年前にはF1最前線から一歩身を引き、アメリカスカップのヨットやアストンマーティンの高性能スポーツカー設計などに関与するようになっていた。
しかし、レッドブルがホンダと手を組んだこともあり、2019年からは再びF1の第一線で陣頭指揮をとるニューウェイの姿が見られるようになっている。
しかし、2013年にケータハムのドライバーとしてフルシーズンを戦った経験を持つオランダ出身ドライバーのヴァン・デル・ガルデは、レッドブルはニューウェイがパディ・ロウのようにならないよう気をつける必要があるとの警鐘を鳴らしている。
イギリス出身エンジニアのロウはウィリアムズでF1キャリアをスタートしマクラーレンを経て2013年にメルセデスに移籍。技術責任者として2014年以降のメルセデス躍進に大きく貢献したことで知られている。
だが、2017年にチーフテクニカルオフィサーとしてウィリアムズに復帰したロウだが、そこで手がけた2018年型ウィリアムズFW41がまったく振るわず、チームはコンストラクターズランキング最下位に沈んでしまう。さらに2019年型マシンの開発も遅れたことから、同年1月に休職に入り、6月には完全にチームと離別することになってしまった。
ヴァン・デル・ガルデは、そのロウに言及しながら、母国オランダの『RTL GP』誌に次のように語った。
「ロウはメルセデスに何年も所属していた。だが、彼はウィリアムズに行き、その後はもう何も成し遂げることはなかった」
「そのことからも、常に同じ人間がチームのトップにいるのは危険なことだというのが分かるだろう。必要なのはたゆまぬ挑戦だからね」
そう語ったヴァン・デル・ガルデは、レッドブルも技術陣の世代交代を進めるべきだと次のように付け加えている。
「古株の周囲には常に非常に優勝な若手を置くようにしなくてはならないよ。レッドブルでもこれからそうしなくてはならないよ」