アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、今季リザーブドライバーとして迎えたロバート・クビサが再びフルタイムF1ドライバーに復帰するチャンスはあると語った。
ロータスに在籍時の2011年F1シーズン開幕前に参戦したラリーで大事故を起こして瀕死の重傷を負ったクビサだが、2019年に8年のブランクを経てウィリアムズでF1復帰を果たしていた。
だが、クビサはその年にF1デビューを飾ったばかりのチームメート、ジョージ・ラッセルに予選で一度も勝つことができず、1年でそのシートを失ってしまった。
2020年はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に出走することになるクビサだが、母国ポーランドのスポンサーである『Orlen』の支援を受けてアルファロメオともリザーブドライバー契約を結んでおり、先週から今週にかけてスペインのバルセロナで行われたF1公式プレシーズンテストにも参加している。
そして19人のドライバーが出走した26日(水)のテストではクビサがトップタイムを刻んでみせた。
2019年のウィリアムズでのパフォーマンスから見れば、もうF1グリッドに戻ってくることはないだろうと考えられていた35歳のクビサだが、このテストでの結果により、そのドライビングスタイルに合うマシンさえ手にいれられれば、クビサがまだ十分にF1でやっていけるのではないかと考えを改めた者も少なくないようだ。
『Eleven Sports(イレブン・スポーツ)』から、クビサがまたレースシートを得るチャンスはあると思うかと質問された場スールは「もちろんだよ」と答え、次のように続けた。
「今のロバートを見れば、数年前よりも間違いなく(レースシートに)近いところにいるよ」
「彼が1年前に(ウィリアムズで)託されていた仕事は簡単なものではなかったんだ。私はジョージのことも知っている。彼は私のチームで走っていたし、私は彼のことをものすごく高く評価している。ロバートにとっては困難な状況だったよ」
「だが、これから彼が我々と、そしてDTMで行う仕事が、彼の将来に影響を持つことになるだろう」
そう語ったバスールだが、クビサが近い将来アルファロメオでF1復帰を果たす可能性があるかという問いに対しては次のように言葉を濁している。
「今の契約は今シーズンに焦点が合わせられたものだ。そして、一番重要なのはシーズン終了時点での結果だ。その12か月前に語られた言葉ではないよ」