元F1ドライバーのマーティン・ブランドルが、2020年のF1シーズンをスタートするのに理想的なのはイギリスGPだろうと語った。
1980年代中盤から10年以上にわたってF1で活躍したイギリス出身のブランドルは2020年のF1シーズンについてドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「シーズン前半はすべてヨーロッパで開催されることになると思う」
それは、ヨーロッパであれば飛行機を利用せずにサーキットに行くことが可能だからだと説明したブランドルは、今年のF1開幕の地としてはイギリスが理想的だろうと次のように付け加えている。
「7チームがイギリスをベースにしている。だから、組織的にもそこ(イギリス)が最も楽に行ける場所なんだ」
当初の2020年F1カレンダーではイギリスGPは7月19日に決勝が行われることになっているものの、covid-19と命名された新型コロナウイルスによる現在の状況からすれば、7月どころか、本当に今年F1レースを開催することができるのかどうかも不透明な状態だ。
かつてベネトンとルノーでチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレは、いずれにしてもF1チームが財政的に大きな打撃を受けることになるのは間違いないとスペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に次のように語っている。
「レースが行われないわけだから、スポンサーも支払いは行わない。彼らは12レースではなく20レースのために支払うわけだからね」
「だが、大部分の金はFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)から与えられているんだ。これは悲惨だよ」
ブリアトーレが言及したFOMとは、F1オーナーであるリバティ・メディアが運営するF1商業権の管理運営組織のことだ。
FOMは各F1グランプリの開催権料やテレビ放映権料、オフィシャルスポンサーなどから得た収入を元に参戦するF1チームに報酬を分配している。しかし、レースが行われなければもちろんFOMの収入もなくなってしまうわけで、この状況が長く続けば、F1本体の基盤が崩れてしまう可能性すらあるわけだ。
ブランドルが期待するように7月にはF1開催が可能となるまでに状況が改善されることを祈りたいものだ。