元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ウィリアムズはF1の近代化についていくことができなかったのだと考えている。
1997年にジョーダンでF1デビューを飾ったラルフ・シューマッハは、1999年にウィリアムズに移籍し、そこで6年間を過ごした経験を持っている。
1980年代から90年代にかけて常勝チームとしてF1に君臨し、F1ドライバーズタイトルを7回、コンストラクターズタイトルを9回獲得しているウィリアムズ。だが、近年は低迷が続いており、2018年と2019年は2年連続で最下位に位置してしまっている。
そのウィリアムズが最近チームの売却先を探していると発表したことについて質問されたラルフ・シューマッハは母国ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように答えた。
「フランク・ウィリアムズ(チーム設立者/チーム代表)も彼の娘(クレア・ウィリアムズ/チーム副代表)も現代風のやり方でチームを導くことができなかったようだね」
「あそこのマネジメントスタイルには間違っていることがすごく多いんだ」
「数年前に若い経営者に道を譲るべきだったね。このことは僕自身も経験したことだ。時代は変わってしまったんだ」
「フランク・ウィリアムズ型のシステムは常に上から強いプレッシャーをかけるものだったよ」
7度F1王座に就いたミハエル・シューマッハを兄に持つラルフ・シューマッハはかつての名門チームであるウィリアムズが立ち直ることは可能ではあるものの、それは「フランクとクレアが完全に身を引き、優秀な投資家が加わるという条件が整った場合のみだ」と語り、次のように付け加えた。
「僕は今でも素晴らしいレーシングチームだし、いいパートナーと資金もあると思っている。僕ならすぐに参加するよ」
うわさによれば、ウィリアムズ買収に動くと考えられているのは息子のニコラスがウィリアムズのドライバーを務めているマイケル・ラティフィだ。ラティフィは2018年にマクラーレンの共同オーナーとなったことでも知られている。
また、ロシアのビジネスマンであるドミトリー・マゼピンも候補のひとりだと言われている。その息子であるニキータ・マゼピンも現在F2に参戦しており、もちろんF1昇格を目指している。
「マゼピンが踏み切り板に足をかけているし、彼はラティフィや(ローレンス)ストロールよりも裕福だ」
「ここまで、彼はF3以降全てのチームを息子のために買収してきた」
そう語った44歳のラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「僕にはそれを批判することはできないよ。たとえ自分たちの息子のためだとは言え、我々のスポーツを愛し、大金を投資しようとする人たちがいることは喜ばしいことだからね」