アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィが、もし2020年のF1シーズンにおいてチームメートのキミ・ライコネンに勝つことができなければ自分のF1キャリアが大きな危機を迎えることになるだろうと認めた。
フェラーリの支援を受けるイタリア出身のジョビナッツィは2017年に負傷欠場となったパスカル・ウェーレインの代役としてザウバーでF1デビューを果たし、2戦に出走している。そして、2019年にアルファロメオのフルタイムドライバーとなり、その年にフェラーリから移籍してきた現役最年長ドライバーのライコネンとともに初のF1フルシーズンを戦った。
シーズン中盤から予選ではライコネンと互角のパフォーマンスを見せることができるようになったものの、レース運びという点では経験豊かなライコネンにかなわず、ドライバーズランキングでは43ポイントを稼いだライコネンの12位に対し、ジョビナッツィは14ポイントで17位と大きな差をつけられてしまった。
そのジョビナッツィは、今週末に開幕を迎える2020年F1シーズンに向け、スイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語った。
「もし自分の夢を継続していこうとするなら、今年はキミに勝たなくてはならない」
だが、ドイツ出身の元F1ドライバーであるニック・ハイドフェルドは、もし今年もジョビナッツィが出遅れるようなことになれば、シーズン途中でシートを失う可能性すらあるだろうと考えている。
「ミック・シューマッハがアルファに行くチャンスもあると思っている」
「金曜フリー走行だけでなく、レースでもね」
7度F1王座についたミハエル・シューマッハの息子ミックは昨年からフェラーリのドライバーアカデミーに所属している。
現在F2シリーズに参戦しているミックだが、今季限りでフェラーリを離脱するセバスチャン・ベッテルがこのまま引退する可能性もあると考えられている中、ドイツのモータースポーツ界ではミックのF1昇格を待ち望む声もひときわ大きくなってきているようだ。
「もし昨シーズン序盤と同じようにライコネンの陰に隠れるようなことになれば、ジョビナッツィは困ったことになるだろう」
そう語った43歳のハイドフェルドは次のように付け加えた。
「ミックにはF1マシンをドライブできるだけの力があるし、多くの人たちが考えている以上に早くチャンスをつかむ可能性もあるよ」
26歳のジョビナッツィにとって、まずは今週末に行われるF1オーストリアGP(5日決勝)で予選・決勝ともにライコネンを上回る成績をあげることが最初の課題となりそうだ。