メルセデスを傘下に置くダイムラーの会長を務めるオラ・シャレニウスがいまだにささやかれ続けているメルセデスのF1撤退をあらためて否定した。
パワーユニットと呼ばれるハイブリッド方式F1エンジンが導入された2014年以降圧倒的な強さを誇っているメルセデスは今年も7年連続となるドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトル独占を果たしている。
だが、ダイムラーがメルセデスのF1予算削減方針を打ち出している中、現在チーム代表を務めるトト・ヴォルフやミハエル・シューマッハの持つ歴代最多ドライバーズタイトル記録に並んだルイス・ハミルトンが近い将来メルセデスを離脱する可能性もあるとのうわさもささやかれるなど、F1王者チームの将来にやや陰りが見え始めてきている兆候もある。
だが、シャレニウスはこのほどドイツのシュトゥットガルトで行われた『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のイベントにおいて次のように語った。
「我々がF1から去ることはない」
「それはバイエルン・ミュンヘン(ドイツのサッカーチーム)が何度もタイトルをとったからといって彼らが止める必要がないのと同じだ。我々も止めることはない」
新型コロナウイルスのパンデミックにより導入が1年先送りされたものの、2022年には新たなF1技術レギュレーションが導入されることになっており、これによりチーム間の力関係に変化が生じる可能性もあると考えられている。
しかし、シャレニウスはF1が進もうとしている方向性には満足していると次のように語っている。
「F1において、我々はハイブリッド技術と新たな燃料のテストを行うことができるからね」
こうした中、フィンランド出身の元F1ドライバーであるミカ・サロは、今年で現在のメルセデスとの契約が満期を迎えるハミルトンが現時点においてまだ2021年以降の契約を結んでいないという状況はどうにも解せないと考えているようだ。
「ハミルトンが今年ずっと『来年も自分が続けるかどうかは分からない』と言い続けてきた裏には何かあるはずだよ」
そう語ったサロは次のように付け加えた。
「彼はもう長いこと脅しをかけてきている。だから、何が起きるのか様子を見ることにしよう」