アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、2025年から導入される新たなF1エンジンレギュレーションは『コスワース』や『イルモア』のような独立系エンジンメーカーの参入を可能とするものであるべきだと語った。
現在レッドブルとともにホンダからエンジン供給を受けているアルファタウリだが、2022年以降はレッドブルが製造を日引き継ぐことになったホンダ製エンジンを搭載することが確実となっている。
そのエンジン開発凍結は2025年に新F1エンジンレギュレーションが導入されるまでとなっており、その新レギュレーションをどういうものにするべきかについて今後F1オーナーであるリバティ・メディア、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、そしてF1チーム代表者たちによる話し合いが行われていくことになっている。
だが、F1では基本路線としては2025年以降もハイブリッド方式エンジンの使用を前提としており、合成燃料の使用などにより最終的にはカーボンニュートラルを目指していく方針であることを明らかにしている。
2025年に導入される新F1エンジンレギュレーションはどういうものが望ましいと思うかと質問されたトストはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように答えた。
「私はV6ターボの継続にこだわりたいが、MGU-H(熱エネルギー回生システム)はなくすべきだ」
「エネルギー回生システムは必要だからMGU-K(運動エネルギー回生システム)は持つべきだ。その一方で、CO2ニュートラルなe燃料の使用に主眼を置くべきだよ」
「そうすれば排ガス要件も満たせるし、将来に向けた位置づけがしっかりしてくるだろう」
トストはさらに、新たなメーカーがF1参入に興味を示すような新エンジンレギュレーションにすることが重要だと次のように続けた。
「メーカーをもっと増やす必要がある。したがって、新しいエンジンは正確に定義された予算により財政的にも持続可能なものでなくてはならないよ」
「そして、そのレギュレーションはコスワース(イギリスのレーシングエンジンメーカー)、あるいはマリオ・イリエン(レーシングエンジンメーカーであるイルモア社の設立者)がエンジンを製造することが可能となるものであるべきだ。新たなメーカーへ門戸が開かれれば、現在我々が抱えている制約などは必要なくなるだろう」
そう述べたトストは次のように付け加えている。
「コストを節約するためには材料が制限されるべきだし、たくさん製造しなくてすむように長持ちするエンジンであるべきだよ」