メルセデスを傘下に置くダイムラーの会長が、2026年から同じドイツの自動車会社であるポルシェをF1に参戦させるためにレギュレーション変更に関して譲歩する姿勢を示した。
最近、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、アウディやポルシェといったフォルクスワーゲン傘下の自動車会社がエンジンサプライヤーとしてF1に参入することは歓迎だとしながらも、必要以上にチーム間の力量差を小さくするためのルール変更に合意するのは難しいだろうと示唆した。
だが、メルセデスの姿勢はそうではないようだ。
メルセデスの親会社であるダイムラーのオラ・シャレニウス会長は、ドイツの『Bild(ビルト)』紙から、競合自動車会社であるポルシェにF1参戦の門戸を開くためにルール上のアドバンテージをどれくらい譲歩するつもりがあるかと質問されると次のように答えた。
「普通は、私はこう言うだろうね。『私にはアドバンテージがある。だからそのアドバンテージをキープしたい』とね。だが、今回のケースではもっと大きく考える必要がある」
「新たなレギュレーションでは、内燃機関のコンポーネントが大幅に簡素化されることになるだろう。そうするために、我々は電気面でのパフォーマンスを増大させている」
「もし、ポルシェのようなメーカーがこのような条件のもとでF1に参戦することを希望するならば、我々はこのスポーツの利益のために、それを大いに歓迎するよ」
一方、現F1チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の間で熾烈な戦いが演じられている2021年のF1タイトル争いだが、シャレニウスはハミルトンにとって19ポイント差を追い付き追い越すのはかなり厳しい仕事になるだろうと考えている。
「しかし、レーサーというものは最後のレースまで戦うものだよ」
スウェーデン出身の52歳のシャレニウスはそう語ると次のように付け加えた。
「そして一つだけ確かなことがある。ルイスとマックスの戦いは、ここ数年で最高のショーだよ」