フォルクスワーゲンのヘルベルト・ディースCEOが、傘下におくポルシェとアウディが2026年からF1に参戦することについて、社内ではすでにゴーサインが出されていることを認めた。
今後フォルクスワーゲンがポルシェとアウディのF1参戦を正式に承認することになるのは、2026年に導入される計画となっているF1の新エンジンレギュレーションが確定されたときになるようだ。
■フォルクスワーゲン内には反対意見もあった
しかし、ディースCEOは、『Wolfsburger Nachrichten(ヴォルフスブルガー・ナッハリヒテン)』と『Wolfsburger Allgemeine Zeitung(ヴォルフスブルガー・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』に対し、今回の決定に関しては、フォルクスワーゲン社内には疑問視するもあったと次のように語った。
「役員会は完全には同意していなかったよ」
「しかし、プレミアムブランドはF1をブランド価値を高めるための重要な方策としてとらえている。エンジン開発はもう始まっているよ」
ディースCEOによれば、取締役会も最終的にはポルシェとアウディのビジネスベースの議論によって納得したという。
「F1があれば、F1がないときよりもシュトゥットガルトやインゴルシュタットでもっと金を稼ぐことができる」
ポルシェとアウディの本社所在地に言及しながらそう主張したディースCEOは、次のように付け加えた。
「F1は世界的成長を見せている。モータースポーツにおいて重要なのはF1だけだ。技術的なルールの変更があることにより、今すぐに始められるチャンスがあるんだ」
ポルシェとアウディに関しては、エンジンサプライヤーとしてF1参入を計画しているわけだが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が2026年に導入される新たなF1エンジンレギュレーションを正式に承認するのを待ちながらも、同時に2026年からパートナーとなるチームと契約を結ぶ必要もある。
■ポルシェとレッドブルの提携はほぼ確定か
「ポルシェでは、計画はかなり進んでいるよ」
そう明かしたディースCEOは次のように付け加えた。
「アウディは、これまでのところ、まだそれほどには進んでいない」
実際のところ、ポルシェに関してはレッドブルと手を組むことがすでに決定したも同然の状況だと考えられている。
そのことについて質問されたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、微笑みを浮かべながら『f1-insider.com』に次のように答えたという。
「私は、それについてはコメントできないんだ。そのことに関してはディース氏に尋ねるべきだよ」
ディースCEOによれば、アウディもすでに「エンジン開発をスタートさせている」という。
これまでの報道や噂によれば、アウディをエンジンサプライヤーとして迎える可能性があるチームは、マクラーレン、ザウバー(アルファロメオ)、アストンマーチン、ウィリアムズだと考えられているようだ。