F1の最高責任者(CEO)を務めるステファノ・ドメニカリが、今後ロシアでF1レースが開催されることはないと語った。
2014年にソチで初開催されて以来、昨年まで毎年開催されてきたF1ロシアGPは、今年も本来は9月下旬に開催される計画となっていた。
だが、ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、その世界的制裁措置の一環として2022年F1カレンダーからソチでのレースが除外されるとともに、F1はロシアとの間で結ばれていたレース開催契約を将来にわたって解約したことを発表している。
■将来的にロシアでF1が開催されることはない
今後ロシアでのF1が復活する可能性はないのかと質問されたイタリア出身のドメニカリは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように答えた。
「私はこれまで常に、絶対にないと言うことはできない、と考えてきた」
「しかし、今回の件に関しては、私は確実に約束できるよ。我々が今後彼らと交渉を行うことはない」
「もうロシアでレースが行われることはない」
■スポーツ界も非常に政治的になっているとロシアGPプロモーター
これまでロシアGPの地元プロモーターを務めてきたロズゴンキのアレクセイ・ティトフ代表は、ドメニカリがこうした発言をしたことに対してコメントを求められると『Tass(タス通信)』に次のように語った。
「世界のスポーツ界の現状は、非常に政治的になっている」
「ここでは、このことを念頭に置いてドメニカリの言葉を受け止める必要がある。彼の発言は、スポーツの真の精神とは全く関係のない、政治的な意味合いが強いものだ」
「今日の我々の関係が将来どうなるのかは全く不透明だ。我々はドメニカリの立場を考慮しながら、今後のことに取り組んでいくことになるだろう」
■F1は2022年のロシアGP開催権料を返金するべき
ティトフはさらに、F1は2022年に開催されるはずだったロシアGPのためにロズゴンキが支払った開催権料を返金するべきだと次のように主張している。
「この債務が存在することは確認されているし、それに対する我々の立場は変わっていない。ロシア連邦でのレース開催に関するFOM(F1商業権管理組織であるフォーミュラ・ワン・マネジメント)の現在の立場に関係なく、我々は返金を期待している」。