セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が、2022年シーズン限りでF1を引退すると決断したことを後悔はしていないと主張した。
■2戦連続で“ドライバー・オブ・ザ・デー”に選出されたベッテル
4度F1王者となった実績を持つドイツ出身ドライバーのベッテルは、今季のF1第18戦日本GPの舞台となった鈴鹿で6位入賞を果たしてファンの投票による“ドライバー・オブ・ザ・デー”に選出された。
その際、35歳のベッテルは将来的に1度限りの復帰を考えるかもしれないが、それは鈴鹿に限られるだろうと語っていた。
そのベッテルは先週末にオースティンで行われた第19戦アメリカGPでも印象的なパフォーマンスを発揮してみせた。レース終盤にハースのケビン・マグヌッセンと8位争いを繰り広げた末、最終ラップで見事にデンマーク出身ドライバーをオーバーテイクしたのだ。このこともあり、ベッテルは2戦連続で“ドライバー・オブ・ザ・デー”に選出されている。
「あれは彼のドライビングによるものだったと言わざるを得ないね」
そう語った30歳のマグヌッセンは次のように付け加えた。
「そういうときには、彼がなぜ4回もワールドチャンピオンになったのかがよくわかるよ」。
■ベッテルが“F1引退”を考え直す可能性も?
2026年からF1参戦することが決まっているアウディが将来的にドイツ人ドライバーとの契約を望んでいることもあり、F1関係者の中には、ベッテルが引退の決断を考え直そうとしているのではないかと考えている者もいるようだ。
こうした中、ベッテルが敬愛する伝説的ドライバーであるミハエル・シューマッハを兄に持つラルフ・シューマッハは、『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。
「彼は今、マシンに乗ってとても楽しんでいるよ」
「もし彼が今日、自分の将来について決断しなければならなかったとしたら、同じ決断は二度としないだろうと私は思うよ。もし、シーズン当初からこういう状況が続いていたら、彼はきっとやめようとはしなかったはずだよ」
■F1引退は熟慮した結果だとベッテル
だが、アメリカGP決勝後に、F1引退を決断したことを後悔しているかと質問されたベッテルは、母国ドイツの『Bild(ビルト)』紙にきっぱりと「ノー」と答えている。
「もちろん、こういう瞬間を恋しく思うだろうね。それは隠すまでもないことさ。だけど、この決断については長い時間をかけて考えたし、こういう瞬間やアドレナリンを恋しく思うだろうということも考えたよ」
そう語ったベッテルは、次のように付け加えた。
「寂しく思うこともあるだろうね。だけど、これからのことを楽しみにしている僕もいるんだ」。