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【2023年F1】ルーキーのピアストリ起用はマクラーレンにとって「リスク」だとハースのボス

2022年12月07日(水)19:36 pm

ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、2023年にルーキードライバーのオスカー・ピアストリを起用すると決めたマクラーレンは“リスク”を背負うことになると考えている。

■ベテランのリカルドに替えてルーキーを起用するマクラーレン

マクラーレンは2022年にアルピーヌのリザーブドライバーを務めていた21歳のオスカー・ピアストリを、経験豊かながらなかなか結果を残すことができなかった同じオーストラリア出身のダニエル・リカルドに替えて2023年のフルタイムドライバーに据えることを発表していた。

そして、このほど2021年のF2チャンピオンであるピアストリが正式にF1スーパーライセンスを取得したことが明らかになった。これで2023年にピアストリがマクラーレンからF1デビューを果たすことが正式に確定したことになる。

■ハースはシューマッハに替えてベテランのヒュルケンベルグ起用を決定

その一方で、ハースでは、2021年にF1デビューさせたミック・シューマッハの続投をあきらめ、2023年には35歳のベテランF1ドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグの起用を決めている。ある意味ではマクラーレンとは正反対の状況だと言えるだろう。

「どう見ても、ミックはヒュルケンベルグのような豊富な経験を我々に与えることはできない」

そう語ったシュタイナーは次のように続けた。

「経験を積むには時間がかかる。だから、そのことでミックを責めることはできない。だが、今の我々には時間がないんだ」

「我々は中団グループにおいて自分たちの存在を主張していかなくてはならない。そしてそのためには、我々にはニコやケビン・マグヌッセンのようなドライバーが必要なんだ」

■2022年のハースの成績はシューマッハのせいではない

そう語ったシュタイナーだが、こうしたチームの状況に関してシューマッハを非難しているのではないと主張している。

「我々は、チームとしてF1でいいスタートを切った。しかし、その後は停滞してしまい、実際のところ後退してしまった。そして、それはシューマッハのせいではないんだ」

ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったシュタイナーは、次のように続けた。

「我々はもはや2021年序盤のころのハースチームではないんだ。そのシーズンが非常に厳しいものになるのはわかっていた。2022年に向けた新車の開発にリソースを集中させたからね」

「再び前進したのは今年からだった。だが、我々のシーズンは浮き沈みの激しいものだった。そして今、我々はコンスタントにポイントを獲得するために望みうる最高のチャンスを提供してくれるドライバーを必要としているんだ」

■若手ドライバーがF1に備える機会はほとんどない

F1チーム代表の中には、例えばアルファタウリを率いるフランツ・トストのように、ルーキードライバーがF1に適応するためには少なくとも3シーズンが必要だと主張する者もいる。

そして、23歳のシューマッハ自身も自分には十分な時間が与えられていなかったと考えている。

「ある意味で、ミックは正しいよ」

シュタイナーはそう語ると、次のように付け加えた。

「彼は我々と一緒に2年を過ごした。だが、その前に若いドライバーがこの仕事に備えるための機会はほとんどないんだ」

■マクラーレンにとってもピアストリ起用は「リスク」に

それゆえ、シュタイナーは、非常に高い評価を得ているピアストリの起用を決めたマクラーレンもリスクを抱えることになるのは確かだと考えている。

「若いドライバーたちは常に一定のリスクとなるものだ」

「ジョージ・ラッセル(メルセデス)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、そしてランド・ノリス(マクラーレン)が並外れたレーシングドライバーであることは、今では誰もが知っている。しかし、我々は前もってそれを本当に知ることはできなかった」

そう語ったシュタイナーは、次のように締めくくっている。

「誰もがオスカー・ピアストリは素晴らしい才能の持ち主だと考えている。しかし、正直なところ、すべてが期待通りになるかどうかはマクラーレンでさえわからないよ」

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