ダニエル・リカルド(アルファタウリ)が来週末に行われる今季のF1第16戦シンガポールGPを欠場することになるのは確実な状況だが、その翌週に鈴鹿で開催される日本グランプリに出走できるかどうかもまだ微妙な状況のようだ。
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■現在はバルセロナでリハビリ中のリカルド
ニック・デ・フリースに代わって第12戦ハンガリーGPでほぼ8か月ぶりにアルファタウリのドライバーとしてF1グリッドに戻ってきたリカルドだが、復帰3戦目となった第14戦オランダGPの金曜フリー走行2回目でクラッシュし左手の中手骨を骨折してしまった。
34歳のオーストラリア人ドライバーであるリカルドは、現在も手術を受けたスペインのバルセロナに留まってリハビリを続けているという。
アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストは、テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に対し、リカルドの状況を次のように説明している。
「彼はこの状況でうまくやっているよ」
「彼に電話したのだが、そこで理学療法を受けているとのことだった。どれくらい早く回復できるのかは様子を見ることになるが、それほど長くはならず、数週間ほどだろうと私は期待しているよ」
「しかし、今後2週間から3週間のうちに彼がマシンに乗るのを見られないのは確かだろう。だが、いずれわかるよ」
■復帰を急がせるつもりはないとレッドブルのボス
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも『formula1.com 』(F1公式サイト)に次のように語っている。
「彼がシンガポールに間に合う可能性はないと思う。日本で復帰できると考えるのも甘いだろうね。しかし、彼の回復は順調だ。手の動きは回復しているし、今はリハビリ段階に入っている」
「我々はただ、再びマシンのステアリングを握らせる前に彼が完全に回復したことを確認したいだけなんだ。我々はバイクレーサーが急いで復帰しようとしてさらにダメージを大きくした例をたくさん見てきているしね」
■鈴鹿でもローソンが代理出走の可能性
こうした中、アルファタウリにとって朗報なのは、オランダGPと先週末のイタリアGPにリカルドの代役として出走したニュージーランド出身ドライバーのリアム・ローソンがここまで期待以上のパフォーマンスを見せていることだろう。
そして、21歳のローソンは今年日本のスーパーフォーミュラにフル参戦しており、すでに第3戦で日本GPの舞台となる鈴鹿でのレースも経験している。
さらに、現在スーパーフォーミュラでトップから8ポイント差のランキング2番手につけているローソンにとっては、アルファタウリF1マシンで鈴鹿サーキットを走行するチャンスを得られれば、同じ鈴鹿サーキットで10月28日(土)から29日(日)にかけて行われるスーパーフォーミュラ最終ラウンド(第8戦・第9戦)でタイトル獲得を目指すための非常にいい準備ができることになるだろう。
もちろん、ローソンは今年の日本GPでも走りたいという希望を持っている。
「その通りだよ。もし、そのチャンスを得られればね」
そう語ったローソンは、次のように付け加えた。
「現時点ではどうなるのかはわからない。僕はいつもと同じように準備するつもりだけど、成り行きを見ていくよ」
鈴鹿サーキットで開催される日本GPは、22日(金)に開幕し、23日(土)に予選が、そして24日(日)に決勝が行われる。