2022年シーズン限りでF1を引退したセバスチャン・ベッテルだが、F1関係者やファンの中には復帰を望む声が多いのも確かだ。
最近、36歳のベッテルがドイツのニュルブルクリンクで2011年型レッドブルF1マシンによるデモンストレーション走行を行ったこともあり、メディアもベッテルのF1復帰の可能性について報じることが多くなっている。
■ベッテルはF1復帰の可能性を否定せず
ベッテル自身は、一方では自分のF1キャリアは終わったとコメントしながら、一方では将来どうなるかはわからないと語り、F1復帰の可能性に含みを持たせている。
伝えられるところによれば、F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリは、2010年から2013年にかけてレッドブルで4年連続F1チャンピオンとなった実績を持つベッテルがF1に復帰することに前向きだと考えられている。
■F1復帰は簡単なことではないとアロンソ
ベッテルのF1復帰についてどう思うかと質問された現役最年長F1ドライバーである42歳のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は次のように答えた。
「もちろん、それは彼次第だよ。彼がF1復帰を考えているのであればね」
アロンソもマクラーレンで2018年まで戦った後、2年間F1を離れ、2021年にアルピーヌで復帰したという経験を持っている。
「だけど、ダニエルが復帰したときに、それが難しいことなのがわかったと僕は思う」
第12戦ハンガリーGPでニック・デ・フリースに代わってアルファタウリでF1復帰を果たしたものの、第14戦オランダGPの金曜フリー走行でのクラッシュにより骨折し、現在はリザーブドライバーのリアム・ローソンにステアリングを譲っているダニエル・リカルド(アルファタウリ)に言及しながら、2005年と2006年のF1チャンピオンは次のように付け加えている。
「F1復帰を見くびることはできないよ」
■ベッテルにはリーダーとしての資質があるとレッドブル首脳
一方、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に次のように語り、ベッテルはドライバーとしてではなく、優れたリーダーとしてF1界に復帰する可能性があると示唆している。
「彼の性格やトレーニング、そしてタイプは、リーダーの役割に完璧にフィットするよ」
実際のところ、ベッテルに関しては、現在80歳のマルコの後任候補ではないかという噂もささやかれている。
その可能性について質問されたマルコは次のように続けた。
■ベッテルが新たな境地を開く可能性も
「ベッテルはまず、自分が何を望んでいるのかをはっきりさせなければならないよ」
「そのような仕事に就けば、彼はまたたくさん旅をすることになるし、飛行機で移動することも多くなる。環境問題に関与している彼にとって、それは難しいだろう」
そう語ったマルコだが、ベッテルが何らかの形でF1に戻ってくる可能性は否定できないと次のように付け加えている。
「だが、彼はこれらすべてを組み合わせることができて、新たな境地を切り開いていくかもしれないね」