セバスチャン・ベッテルが2024年にレーシングドライバーとしてカムバックを果たす可能性がありそうだ。
■ベッテルに2024年のル・マン24時間出走のオファー
2010年から2013年にかけて4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルだが、2022年シーズンを最後にF1ドライバーとしてのキャリアを終えている。
だが、最近いくつかの国際的メディアが報じたところによれば、36歳のベッテルは、ポルシェのカスタマーチームであるイギリスのJOTAからル・マン24時間レースにLMP2マシンで出走しないかとオファーされているという。
ドイツのモータースポーツ専門誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』の記者を務めるミヒャエル・シュミットは「どうやら近いうちにテストが行われるようだ」と語り、10月初旬にスペインでテストが行われる可能性があると説明している。
■ベッテルも参戦の可能性を否定せず
シュミットによれば、この噂について質問したところ、ベッテルは次のように答えたという。
「まだ何も決まっていないしサインもしていないよ。だけど、そのことは心の奥にはあるよ」
「僕にはまだ決めるための時間はあるよ」
「もしも、ある時点で、レースをしないとうまくいかないという結論に達すれば、そのときは再びドライブするだろうね」
ベッテルは、先週末にF1日本GPが開催された鈴鹿サーキットのターン2を、黄色と黒のミツバチカラーの縁石に塗り替え「BUZZIN' CORNER(バジン・コーナー)」と名付け、日本語ではこれを「コーナーを飛ばせ」と訳した。「BUZZIN」とは、虫などがブンブン飛ぶ羽音という意味でもある。さらにそのコース脇にミツバチカラーの「昆虫ホテル」を設置する活動を行った。
新たな活動をしていたベッテルだが、コースサイドでF1マシンの走行を感慨深げな表情を浮かべながら見つめていた。ひょっとしたら、ベッテルのレーサーとしての本能が刺激を受けていたのかもしれない。
■ベッテル、ライコネン、クビサのドリームチームが実現?
ドイツのテレビ局『RTL』は、ベッテルのル・マン24時間レースでのチームメート候補として、同じ元F1ドライバーのロバート・クビサとキミ・ライコネンを挙げている。もしそれが実現すれば非常に大きな話題となるのは間違いないだろう。
『RTL』のフェリックス・ゴルナー記者は次のように語っている。
「ル・マンでベッテルを見る可能性は高いと思う」
「彼は歴史の大ファンだし、このような伝統的なレースを愛している。ベッテルがル・マンに参戦する可能性は高いと思う」
「ル・マンは、スポーツの観点からも彼にとって魅力的だろう。来年は、ビッグブランドから数多くのマニュファクチャラーが参加するし、非常に密度の濃いパフォーマンスが繰り広げられるはずだ」
■ミック・シューマッハにも参戦の噂
最近の噂では、ベッテルの友人でもあるミック・シューマッハが2024年にはアルピーヌのハイパーカープロジェクトに加わり、WEC(世界耐久選手権)に参戦する可能性があるとも言われている。
場合によっては、来年のル・マン24時間レースでは、ベッテルが親友のライコネンやクビサととともに、シューマッハを擁するアルピーヌと戦うシーンが見られることになるかもしれない。