アルピーヌの暫定チーム代表であるブルーノ・ファマンが、ここまでに目にしてきた“チームの変化”は「かなりいい」と主張した。
■夏休み前に大きな体制変更があったアルピーヌ
ルノーの傘下にあるアルピーヌだが、今年の6月に株式の24パーセントを投資家グループに売却したことが明らかとなった。そして、それ以降F1チームのマネジメント体制にも大きな変化が起こっている。
まず7月11日にエンジン部門責任者であったファマンが副社長に就任し、アルピーヌのモータースポーツ全体を統括することが発表された。そして同20日にはCEOのローラン・ロッシが去り、フィリップ・クリエフが新CEOに就任。
さらに同28日にはF1チーム代表のオットマー・サフナウアーとスポーティングディレクターのアラン・パーメインが第13戦ベルギーGP(同30日決勝)後にチームを離脱することが発表された。
その後、ファマンがサフナウアーの後任として暫定チーム代表に就任したわけだが、噂では2022年までフェラーリのチーム代表を務めていたマッティア・ビノットが次期アルピーヌF1チーム代表候補だと言われている。
ビノットに関しては、フェラーリとの契約により2023年いっぱいはライバルチームなどに加入することができない状況にあると伝えられており、もしその噂が真実だとしても当面はファマンが中心となってアルピーヌのF1プロジェクトを運営していくことになりそうだ。
■今回の変化はかなりいいと暫定チーム代表
しかし、ファマンは次のように語り、現時点においては正式なチーム代表がいないことによる問題はないと示唆している。
「さしあたり、私があらゆることを評価している。ここまで私が見てきた変化は、サーキットでのことに関してはかなりいいと思っているよ」
ビノットの噂について質問されたファマンは、具体的なことは語らず、次のように答えている。
「それは人の問題ではないんだ。問題は、すべての人たちをまとめることだよ」
■ドライバー同士の関係にも不安
ファマンは、現在アルピーヌのドライバーを務めている2人のフランス人ドライバーであるエステバン・オコンとピエール・ガスリーに関しては、どちらにも満足しているという。
だが、元々あまり仲がよくないことで知られていた同じ27歳のオコンとガスリーだけに、今後に向けてチーム内の雰囲気が悪化していく可能性も指摘されている。
実際のところ、先週末に鈴鹿サーキットで開催された今季のF1第17戦日本GP決勝では、オコンに追い越させろという指示をチームから受けたガスリーが激怒するというシーンも見られていた。
しかし、ファマンは、今年アルファタウリから移籍してきたばかりのガスリーは、まだアルピーヌF1チームやマシンに馴染もうとしているところだと次のように語っている。
「我々は、技術チームと彼の間にあったのではないかと思われるいくつかのコミュニケーションの問題を解決し、もっと安心できるようにしようと努めているところだと私は思っている」
だが、その後もアルピーヌのチーム運営問題を取り上げているメディアも多く、アルピーヌF1チーム運営体制変更の余波はまだしばらく続くことになりそうだ。