今年からフェラーリのチーム代表を務めているフレデリック・バスールが、先週末に鈴鹿サーキットで行われた日本GPではマクラーレンに後れをとったものの、自分たちの2023年型F1マシンも確実に進歩を遂げていると主張した。
■鈴鹿ではマクラーレンにも先行を許したフェラーリ
2023年F1シーズンはここまでのところ第16戦シンガポールGPを除けば、全てのレースでレッドブルが勝利を収めている。
しかし、フェラーリは第15戦イタリアGPでカルロス・サインツがポールポジションを獲得すると、続くシンガポールGPでも2戦連続となるポールポジションを獲得。そして、決勝でもサインツがレッドブルのドライバー以外で初めて表彰台の中央に立っている。
これでさらに勢いに乗るかと思われたフェラーリだったが、鈴鹿では、レッドブルばかりか、マクラーレンにも後れをとってしまった。
日本GP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得し、シンガポールでの不振を忘れさせるような強さを見せたが、それに続いたのはフェラーリでもメルセデスでもなく、マクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスだった。
フェラーリはシャルル・ルクレールが予選4番手につけたものの、決勝でもマクラーレン勢をとらえることはできず、4位に終わっている。
■マクラーレンは間違いなく強くなったとフェラーリのボス
しかし、バスールにとって、鈴鹿での結果は驚くようなことではなかったという。
「マクラーレンが日本で強いパフォーマンスを見せたことは、私にとっては驚きではないよ」
ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったフランス出身のバスールは、次のように続けた。
「マクラーレンはシーズンが始まったころには大きな問題を抱えていた。だが、スペインGP(第8戦)で2列目グリッドを獲得していたことを人々は忘れているのかもしれないね」
「彼らは間違いなく改善を遂げた。しかし、マシンの純粋なポテンシャル、あるいは、サーキットに合うマシンなのかどうかだけが重要なわけではないよ。私に言わせれば、ドライバビリティ(運転のしやすさ)も重要なんだ」
「マシンが進歩を果たせば、ドライバーは自ずとマシンに自信が持てるようになる。雪だるま効果が起こるんだ」
■フェラーリの改善も実を結びつつある
そう語ったバスールは、フェラーリの2023年型マシンもシーズンが進むにつれて間違いなく大きく改善されてきていると主張している。
「我々に関しては、タイヤマネジメントの面で大きな進歩を遂げているよ」
「シーズン序盤の我々はライバルたちよりも摩耗が激しかった」
「我々はその後そのための開発に取り組み、ドライバーたちがより長くタイヤを保つことができるようなセットアップに取り組んだんだ」
55歳のバスールはそう語ると、次のように付け加えた。
「この仕事が今実を結びつつあるところだ」