F1統括団体のFIA(国際自動車連盟)は、2026年から始まる新レギュレーションに向けてマシンを“ダイエット”させようとしている。
■ストレートで「節電」すると警告
現世代のマシンに対する大きな不満のひとつは「重量が重い」ことで、エンジンの電気出力が向上する2026年にはさらに重量が増えることになる。
レッドブルのクリスチャン・ホーナーは最近、2026年に向けて新エンジンルールに手を加えなければ、ドライバーは電力を節約するためにストレートの途中でリフトオフする(アクセルから足を離す)必要が出てくると警告している。
■2026年はコンパクト化で軽量目指す
しかし、FIAのシングルシーターのボスであるニコラス・トンバジスは、ルールは決まっており、ホーナーのような批判は“時期尚早”だとジャーナリストに語った。
「パワーユニットは1年前から決まっており、ルールは安定している。シャシーに関しては、今まさに話し合いが行われているところだ」。
トンバジスは、6月の期限までに2026年のシャシーと空力に関するルールに合意する時間はあると言い、重要な要件は総重量を現在より「40kgから50kg」軽くすることだと述べた。
「より短いクルマになるだろう。そしてより狭くなる。そしてより軽くなる。重量を減らすためにダウンフォースはかなり減少し、ドラッグ(抵抗)は大幅に減少する」
「サスペンションにかかる負荷も減るから、クルマはもっと軽くなるだろう。より小さなホイールも計画中だ。16インチのリムでタイヤ径を小さくし、フロントとリアの幅を狭くする予定だよ。チームにとって簡単なことではないが、これらすべてが大幅な軽量化に貢献すると信じている」。
■ラップタイムは2〜3秒か5秒遅くなる?
トンバジスは、2026年は「革命」というよりも「進化」であると主張する。
「ラップタイムという点では、我々はあまり考慮しないが、現行のラップタイムに近いものになると思う。 たぶん、2、3秒遅いか、そんなところだろう。でも、仮に5秒遅くなったとしても、それほど心配はしていない」と彼は語った。
■オーバーテイクはもっとスリリングに?
物議を醸している「DRS」の技術革新については、ストレート上の可動式空力やエネルギー回生システム内で同じことが実現できるかもしれないとトンバジスは言う。
「まだ議論している最中だ。テーブルの上にはいくつかの選択肢があり、ベストなものを選ぼうとしている。でも、ストレートで難なくパスできるようなクルマは望んでいないよ」。