F1第3戦オーストラリアGP(メルボルン、アルバート・パーク・サーキット)の決勝レース終了後、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に20秒のタイムペナルティが科せられた。
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レース終盤、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が大クラッシュをしたが、そのきっかけとなるコースアウト前のアロンソのドライビングが「潜在的に危険」だったと判断した。
■角田裕毅が7位へ繰り上げ
メルセデスのラッセルはレース終盤に新しいタイヤでアロンソを追いかけており、最終ラップのターン6〜7でアストンマーティンのアロンソが比較的遅い速度で走っているのを追い抜こうとした結果、コントロールを失い、バリアに激突した。
レース後、スチュワードはこの件について記録し、利用可能な映像を見直し、両ドライバーと話し合った後、アロンソにドライブスルーペナルティを科した。このペナルティは20秒に換算され、アロンソは6位から8位に順位を落とすことになった。
この結果、チームメイトのランス・ストロールは7位から6位へ、角田裕毅(RB)は8位から7位へ順位を上げることになった。
■ラッセルも困惑
ラッセルは幸い無事だったが、レース直後に次のようにコメントしていた。
「正直、何が起こったのか本当にわからない。コーナーに入るとき、アロンソと0.5秒ほど差があったのに、突然、エイペックスの手前で彼の後ろに近づいてしまって、コントロールを失い、コースアウトしてしまったんだ」
■アロンソ「違うやり方を試したけどミスをした」
今週末のレース運営委員会(スチュワード)には元F1ドライバーのジョニー・ハーバートも加わっており、長文の文書の中で、アロンソにペナルティを科した理由をこう説明した。
「アロンソはスチュワードに対し、より速く出口を抜けようとして、ターン6へ違った方法でアプローチして、早めにアクセル・オフ(リフト)して、コーナーへの進入速度を落とすつもりだったと説明した」
「ラッセルの視点からは、アロンソの操縦が不安定で驚かされ、異常に速く距離を詰めることになり、結果としてコーナーのエイペックスでダウンフォースが低下してコントロールを失い、コーナーの出口でクラッシュしたとスチュワードに説明した。車同士の接触はなかった」
「テレメトリーデータによると、アロンソはレース中にそのコーナーに入る際に通常よりも100m以上早くアクセル・オフ(リフト)していた。また、彼は通常はブレーキをかけない地点で非常にわずかにブレーキをかけました(ブレーキの量が非常にわずかであったため、彼の車が遅くなった主な理由ではないが)、そして通常はダウンシフトしない地点でダウンシフトを行った。その後、再びアップシフトし、コーナーに向けて加速してから再びアクセルオフしてコーナーを曲がる前にスピードを落とした」
「アロンソの当初の計画は早めに速度を落とすつもりだったが、少し間違えてしまい、速度を取り戻すために追加の手順を取らなければならなかったと説明した。それでも、このやり方によって、車間距離がかなり縮まり、異常なスピードが発生した」
■意図に関わらず規則上は危険行為
「この問題を考慮する際、スチュワードは規則の文言に焦点を当てた。規則には『いかなる場合も、不必要に速度を落としたり、乱暴に運転したり、他のドライバーや他の人に危険を及ぼす可能性があるとみなされるような運転をしてはならない』と記載されている」
「具体的には、この場合、スチュワードはクラッシュという結果について考慮していない。さらに、スチュワードは、アロンソのやり方がラッセルに問題を引き起こす意図があったのか、または彼がスチュワードに述べたように単により良い出口を目指していたのかを判断する十分な情報がないと考えた」
■クラッシュの原因を作ってはいないが、潜在的に危険な行為
「アロンソがコーナーへ別のアプローチを試す権利を持っているべきか?については『イエス』。アロンソが最終的にクラッシュを引き起こす原因となったダーティエア(乱気流)の責任を負うべきか?については『ノー』だ」
「ただし、彼はどのような意図であれ、これまでとは異常な行動、つまり、以前よりも100m以上も早くアプローチし、単にコーナーへの早めの減速よりもはるかに大きな力でブレーキング、ダウンシフトなどの操作を行うことを選んだのか?彼自身が事件の説明で述べたとおり、『イエス』で、彼は実際そうした」
「スチュワードの意見では、これらの行動をとることで、彼はコースのその地点の非常に高速な性質を考慮すると、少なくとも『潜在的に危険』とされる方法でドライビングしたと判断された」
■単なるミスではないと判断
「今シーズン、F1のペナルティガイドラインは、この違反を含めリセットされ、10秒ペナルティの基準に引き上げられた。さらに、悪化する事情がある場合、ドライブスルーペナルティを検討することになる」
「この場合、アロンソが単なるミスではなく、この時点で異例の操作を行うことを積極的に選択したことが事情を悪化させたと見なした」
アロンソは、ドライブスルーペナルティの他に、ライセンスに対して3点のペナルティポイントが科された。
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