34歳のオーストラリア人ドライバーのダニエル・リカルドは、レッドブル・レーシングに再雇用してもらうために、今年はRBのコックピットで印象に残るパフォーマンスを披露する予定だった。
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しかし、チームメイトの角田裕毅が現在のチームリーダーであることは明らかだ。角田はこれまでのところ断然優位に立っており、今週末の上海でのF1中国GPがリカルドにとって、リアム・ローソンと交代する前の最後のF1レースとなるのではないかという憶測さえ呼んでいる。
リカルドは、最近のスランプはマクラーレンで起こったことを彷彿とさせる物ではないと否定した。あの時、完全に自信を失ったリカルドを、マクラーレンは1年早く解雇していた。
「これはマクラーレンのような状況ではないよ」とリカルドは主張する。
「個人的には、自信、幸福感、それらはすべて本当に変わらないんだ。結果を出すことが大事だけど、今、2レース良いレースをすれば、悪いレースはすぐに忘れてしまう。でも、心の中では本当に良い気分なので、まだ結果がついてきてないのが少し不思議なんだ」とリカルドは鈴鹿で語っていた。
実際、リカルドは、現在のシャシーに何らかの基本的な欠陥があるのではないか、シャシーを変更すれば最近のパフォーマンス低迷に終止符が打てるのではないかと考えていた。
「もちろん、それについて考えたよ。ただ確かめたいんだ。知っての通り、僕は長い間F1にいるからね。小さなズレでも見抜くことができると思う。だから、この問題について話したんだよ」
しかし、RB F1のアラン・パーメイン(レーシングディレクター)は、それでリカルドの運命が好転する可能性は低いと語っていた。
「可能性が低いというのは、本当にそうだからだ。パフォーマンスの差別化要因にはならないんだ」
■不運だったF1中国GP、上昇気流に乗れず
しかし、チームはそれに応えてシャシーを交換し、上海で新しいモノコックでステアリングを握ったリカルドは、すべてのセッションで角田を突き放した。
「シャシーを変えたんだ。前のシャシーとはフィーリングが合わなかったんだよ。でも、まだ1つのサーキットに過ぎない。いずれわかるよ」
予選で12位スタートだったものの終盤9位とポイント圏内へと押し進み好調な走りを見せていたリカルド。セーフティーカーが終了し、レース再開の直前、ターン14は全車がスロー走行して大渋滞だった。
そこへフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がタイヤから白煙が上がる急ブレーキをしたことで、後続が玉突き事故状態に・・・。
リカルドの後ろからランス・ストロール(アストンマーティン)が勢いよく追突し、リカルドのマシンを突き上げた。この追突により、前にいたピアストリへ追突したリカルドは、フロントもリアも大きなダメージを受けた。
レース続行を試みたが、リカルドは無念のリタイアとなってしまった。
昨年、レッドブルがリカルドのキャリアを救ったのは、クリスチャン・ホーナーによるものだったと考えられている。今のところ、ホーナーはオーストラリア人を支持している。