F1を統括するFIA(国際自動車連盟)が、来季より導入予定となっているV6ターボエンジンについて、導入後2018年までの間、開発を「凍結」する動きに出ることが明らかとなった。
現在のV8エンジンについてもコスト抑制などの理由により2007年から開発が凍結されている。ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えたところによれば、これと同様の開発凍結が新エンジンの導入される2014年から2018年までの間、段階的に導入されることになるという。
来シーズンはメルセデス・ベンツ、フェラーリ、そしてルノーの3社がF1チームにエンジンの供給を行うことになると考えられており、その翌年2015年にはホンダが復帰し、マクラーレンとのワークス体制を組むことが決まっている。
ミハエル・シュミット記者は、次のように書いた。
「ホンダはちょうどいいタイミングで参入することになる。なぜなら新エンジンの開発は2018年まで段階的に凍結されることになるからだ」
「もし彼ら(ほかのエンジンメーカー)があまり長く待つと、彼らの問題への対応も限られてくるだろう」
この2018年までの「開発凍結」は、BMWやトヨタ、そしてフォルクスワーゲン傘下のアウディやポルシェなど、F1への参入を検討しているものと考えられている自動車メーカーに対してプレッシャーを与えることになる。
シュミットは次のように続けた。
「迅速な決断が求められる。もし彼らが待ちすぎると、ルールがどんどん不利になるだろう」
この段階的凍結は、なぜサプライヤーたちが供給先チームを長期契約でしばろうとするのかという理由も説明してくれるものだ。すなわち、設計者たちがまだ完成度の低いV6エンジンユニットへ段階的に手を加え、改良してゆく間、チームがほかのサプライヤーへと乗り換えてゆくことを避けるためだ。