今週末シルバーストン・サーキットで行われるイギリスGPに、パディ・ロウがメルセデスAMGの技術責任者として初めて参加することになった。
ロウはマクラーレンの技術責任者の職を辞してから、しばらくの休暇を経て今月初めから移籍先のメルセデスAMGで働き始めていた。
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、ホームグランプリである今週末のイギリスGPこそが、ロウがメルセデスAMGのユニフォームを着てピットウォールに立つ初めてのレースとなると伝えている。
マクラーレンチーム代表のマーティン・ウィットマーシュは、ロウを2013年の契約から早期に開放したことはウィットマーシュ自身の決断だった、と同紙に話している。
「そうしたのはパディ(ロウ)が好きだからさ。それにマクラーレンはメルセデス・ベンツとも良い関係を保っているからね」
マクラーレンは2015年にホンダとのエンジン提供契約が始まるまでは、メルセデス・ベンツのカスタマー仕様のエンジンを引き続き使用することになっている。
これまでメルセデスAMGはロウのマクラーレンとの契約を買い取る形になっていると思われていたが、ウィットマーシュは「パディのメルセデスとの約束をむやみに遅らせるのは正しくないと思ったんだ」と説明している。
そして、「公平に正しくやりたかったんだよ」と付け加えた。
『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』の通信員、ビアンカ・ガーロフとラルフ・バッハは、ロウのメルセデスAMGでの役割はハッキリしないとしながらも、「チーム代表のロス・ブラウンと、モータースポーツ・ディレクターのトト・ヴォルフと、テクニカル・ディレクターのボブ・ベルのどこか中間の役割になる」と予想している。
ウィットマーシュは「パディは頭のいい奴だよ。20年以上前、僕が自分で引き抜いたんだ」と、ロウの能力を認めている。
「でもメルセデスの組織とか彼がどこに収まるとかそういう事は分からないね。明らかにボスが大勢いるようだが、多分何をやっているのかは分かっているんだろう」