レッドブルの「燃料流量」問題はマレーシアに尾を引いている。
イギリス『Times(タイムズ)』紙によると、2014年F1開幕戦オーストラリアGPでダニエル・リカルド(レッドブル)が失格になったのを受け、レッドブルは13万ドル(約1,326万円)もの大金を投じて、FIAの指定業者であるジル社製燃料センサーを5つ購入した。いずれも新品だ。
「我々は冒険を避け、独自にセンサーを買い求めた。せめてひとつぐらいはまともに機能するかと思ってね」と、チームの情報筋は語っている。
レッドブルはリカルドの失格処分を不服としており、先週は英ミルトン・キーンズの本部にFIA(国際自動車連盟)職員を招き入れ、オーストラリアGPで不調だったとチームが主張するセンサーを調べさせてもいる。
ところが、問題はこれにとどまらない。
ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、28日(金)に行われた第2戦マレーシアGP初日フリー走行で、またしてもリカルド車に燃料センサーのトラブルが生じたと伝えている。
ミハエル・シュミット記者によれば、レッドブルと同じくルノーのパワートレインを使用する姉妹チームのトロロッソもセンサーからの信号感知に問題が生じているという。
午後のフリー走行を前にレッドブルは、一台2万6,000ドル(約265万円)する新品のセンサーをリカルドのRB10に装着した。もちろん完全に調整済みの品だ。
「金をケチッてばかりもいられないからね」とぶっきらぼうに話すのは、レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコだ。
出費だけならまだ良いが、問題はさらなる失格処分の危険性である。メルボルンの時と同様、もしFIAがルノーエンジンを循環する燃料の量を減らせと言ってきたらレッドブルはどう対処するだろう?
「分からないよ」と、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは答えている。
「もしかしたら異なる2ヶ所にそれぞれセンサーを付けたほうがいいかもね。その上で平均値を見られるようにして、不正確な計測のリスクを減らすんだ」